「世捨て人」と呼ばれたファーストレディの正体
公の場にめったに姿を見せなかった、いわば「世捨て人」のようなファーストレディとして知られているのは、第29代アメリカ合衆国大統領ウォレン・G・ハーディングの妻、フローレンス・ハーディング(Florence Harding)です。
フローレンス・ハーディングの基本情報
- 旧姓:メイベル・フローレンス・デウォルフ(Mabel Florence DeWolfe)
- 生没年:1860年8月15日〜1924年11月21日(64歳没)
- 出身地:オハイオ州マリオン
- 夫:第29代アメリカ合衆国大統領ウォレン・G・ハーディング
大統領夫人になるまでの歩み
フローレンスはオハイオ州マリオンで育ち、若い頃にはピアノ教師として働いていました。やがて当時新聞記者だったウォレン・ハーディングと出会い、1891年に結婚します。
結婚後は、夫が発行する地元紙「マリオン・デイリー・スター」の経営を陰で支え、その気丈な振る舞いから「ダッチェス(公爵夫人)」という愛称でも親しまれていました。
ファーストレディ時代と晩年
1921年、夫の大統領就任とともにファーストレディとなりました。華やかな表舞台に立つ機会は比較的少なく、世間からは「世捨て人」のように見られることもあったといわれます。しかし、その一方で自身の健康問題を抱えながらも、最期まで夫を献身的に支え続けた人物でした。
ハーディング大統領は1923年8月、任期半ばでサンフランシスコにて急逝します。フローレンスもその翌年、1924年11月21日に腎臓病のためこの世を去り、現在は夫とともに故郷マリオンの墓地に眠っています。
華やかな社交の場よりも、静かに伴走する支え手としての道を選んだフローレンス・ハーディングは、アメリカ史における数多くのファーストレディの中でも、ひときわ個性的な存在として語り継がれています。