歴史物語

人はいつから人を殺し始めたのか?——考古学が語る人類の暴力の歴史

人類と暴力の起源

私たち現生人類(ホモ・サピエンス)は、およそ20万年前から30万年前にアフリカで出現したと考えられています。そして驚くべきことに、その頃からすでに人間同士が殺し合いを行っていた痕跡が数多く残されているのです。

約1万1500年前の「槍で殺された」人骨

考古学者たちは、約1万1500年前とされる先史時代の男性の人骨を発見しました。骨に残された傷の分析により、この人物は槍によって殺害されたことが判明しています。これは中石器時代における暴力的な紛争の実在を裏付ける貴重な考古学的証拠です。

この発見が意味すること

注目すべきは、この時代が農耕や定住生活が本格的に始まる前であるという点です。つまり、戦争や暴力は文明や国家が生んだ产物ではなく、人類の歴史のごく初期の段階から存在していた可能性があるのです。

もちろん、当時の紛争の規模や動機については依然として議論が続いています。資源をめぐる争いだったのか、あるいは偶発的な衝突だったのか——しかし、少なくとも「人類は平和の中で進化し、後に暴力を知った」という単純な図式では説明できないことが、こうした発見からは明らかになりつつあります。