結論から言えば、「アンテベラム(antebellum)」という言葉そのものに人種差別的な意味はありません。
アンテベラムとは何か
アンテベラムはラテン語に由来する言葉で、直訳すると「戦争の前(before the war)」を意味します。アメリカでは、南北戦争(1861年〜1865年)が始まる前の時代を指す言葉として広く使われています。
言葉の使われ方
この言葉はアメリカ南部だけに限定されたものではなく、必ずしも奴隷制を直接指すわけでもありません。当時の建築様式(アンテベラム様式と呼ばれる住宅スタイルなど)、文化、歴史的时代区分など、さまざまな文脈で中立的に用いられています。
なぜ議論になるのか
ただし、南北戦争前の南部は奴隷制と深く結びついた時代であったため、この言葉が奴隷制を美化・肯定する印象を与えるとして批判されることもあります。実際、2020年にはカントリーミュージックの人気グループ「Lady Antebellum」が、この言葉が持つ歴史的な響きへの配慮からバンド名を「Lady A」に変更したことで大きな話題となりました。
つまり、アンテベラムは本来中立的な歴史用語ですが、使われる文脈によっては敏感なニュアンスを帯びる可能性がある、というのが実情です。