アフリカの歴史

南アフリカの外国人排斥暴力とは?2008年以降の主要な事件とその背景を解説

南アフリカにおける外国人排斥(ゼノフォビア)暴力は、長く複雑な歴史を持つ社会問題です。これまで何度も外国人や移民に向けた暴力事件が発生してきました。特に2008年以降、経済的・社会的な緊張をきっかけとして、顕著な排斥暴力が繰り返し起こっています。

2008年の外国人排斥攻撃

2008年5月、南アフリカ全土を席巻する大規模な排斥暴力が発生し、特にヨハネスブルグとダーバンが深刻な被害を受けました。

  • 貧困、失業、格差、反移民感情など、複数の要因が重なり、暴力の引き金となりました。
  • 外国人が所有する店舗や住宅、事業所が略奪され、放火される事態が相次ぎました。
  • 多くの外国人が身体的な暴行を受け、死者も発生しました。

2015年の外国人排斥攻撃

2015年4月には、ダーバンを起点とした新たな排斥暴力が発生し、国内の他地域へも拡大しました。

  • ズールー族の国王グッドウィル・ズウェリティニ氏が「外国人は身の回りの品をまとめて国を出るべきだ」と発言したことが報じられ、これが攻撃の引き金となったとされています。
  • 2008年と同様に、外国人が標的となり、略奪、放火、身体暴力が繰り広げられました。

2019年の外国人排斥攻撃

2019年9月には、主にヨハネスブルグを中心に再び排斥暴力が勃発しました。

  • 社会的・経済的な問題に対する地元住民の不満や、「外国人が南アフリカ市民の仕事を奪っている」という主張が暴力の発端となりました。
  • 外国人所有の店舗や財産が襲撃・略奪され、一部の外国人は暴行を受けたり、住居を追われたりしました。

南アフリカの排斥暴力に見られる特徴

標的となる人々

近隣アフリカ諸国出身の外国人や移民が主な標的となりますが、世界の他地域からの移民も攻撃を受けることがあります。

動機

経済的な不満、仕事や資源をめぐる競争という認識、そして反移民感情が、排斥暴力を駆動する主な要因です。

暴力のパターン

排斥暴力は、略奪、財産破壊、放火、外国人への身体暴行といった形で現れることが多い傾向にあります。

地域社会の緊張

排斥攻撃の背後には、南アフリカの地元住民と外国人社コミュニティとの間の歴史的かつ継続的な緊張関係があります。特に貧困率や失業率が高い地域では、この対立が顕著です。

スケープゴート化

社会的・経済的な問題の責任を外国人に転嫁する「スケープゴート化」が起こりやすく、これが敵意や暴力につながることがあります。

政府の対応と今後の課題

南アフリカ政府は、外国人保護のための措置の実施、法執行機関の強化、社会統合と結束の促進など、排斥暴力への対策を進めています。しかし、外国人排斥の根本原因は複雑であり、経済格差の是正、社会結束の強化、多様性への寛容と敬意の醸成には、包括的で持続的な取り組みが必要とされています。