連合規約下での各州の投票権
はい、ありました。アメリカ最初の成文憲法である連合規約(Articles of Confederation)の下では、各州は人口の規模にかかわらず、連合会議において1票の投票権を行使していました。
各州から2名〜7名の代表が会議に派遣されていましたが、実際の議決の際には州ごとに1票のみが認められていました。そのため、バージニア州やマサチューセッツ州のような人口の多い大州であっても、デラウェア州やロードアイランド州のような小州とまったく同等の発言力しか持てなかったのです。
小州に有利な仕組みとその弊害
この制度は、人口比例で投票権を配分する場合と比べて、小さな州に非常に大きな影響力を与える結果となりました。小州にとっては魅力的な仕組みでしたが、その一方で深刻な問題も抱えていました。
- 国家全体の利益となる法律や税制の可決が極めて困難になった
- 人口の多い州の民意が政治に十分反映されなかった
- 中央政府の機能不全を招き、財政や外交の面でも弱体性が露呈した
合衆国憲法への道
こうした制度的欠陥が積み重なったことが、1787年のフィラデルフィア制憲会議開催の重要な背景となりました。その結果として制定された現在のアメリカ合衆国憲法では、人口比例の下院と各州平等の上院からなる二院制が採用され、大州と小州の利害のバランスを図る妥協案が実現することになりました。