北米の歴史

南北戦争以前のアメリカにおける奴隷制の歴史と実態

奴隷制の始まり:1619年のジェームズタウン

1619年、アフリカから連れてこられた奴隷たちが、バージニア州ジェームズタウンのイギリス植民地に到着しました。これが北米大陸における奴隷制の歴史の始まりとされています。

18世紀:綿花経済の拡大と奴隷需要の増加

18世紀に入ると、綿花を中心としたプランテーション経済が急速に拡大し、それに伴って奴隷労働力への需要も急増しました。特に1793年の綿繰り機(コットン・ジン)の発明により綿花生産の効率が飛躍的に向上し、南部での奴隷制はさらに根深いものになっていきました。

北部での廃止と地域間の格差

1800年代までに、北部諸州では奴隷制が次々と廃止されました。また、西部の開拓地においても奴隷はごくわずかしか存在しませんでした。こうして、奴隷制をめぐる南北間の経済・社会構造の違いが次第に顕著になっていきました。

1860年:約400万人の奴隷

しかし1860年の時点で、南部にはおよそ400万人もの奴隷が存在していました。当時、奴隷制は5つの州とコロンビア特別区を除くすべての州で合法であり、その大多数は南部に集中していました。南部のプランテーション経済は奴隷労働に強く依存しており、綿花・タバコ・サトウキビなどの生産を支える基盤となっていたのです。

南北戦争へと至る対立

南北戦争に向かう数年間、奴隷制をめぐる論争は国内を二分する深刻な対立へと発展していきました。特に、新たな領土へ奴隷制を拡大すべきかどうかをめぐる意見の対立は、1820年のミズーリ妥協や1850年妥協といった妥協策をもってしても解決できず、最終的に南北戦争(1861年〜1865年)勃発の主要な原因となったのです。