アメリカ合衆国の連邦最低賃金は、1983年から1987年までの5年間、一貫して時給3.35ドルで固定されていました。この期間は、インフレが進行する一方で法定最低賃金の引き上げは行われず、実質的な購買力が徐々に低下していった時代です。
1983年〜1987年の連邦最低賃金の推移
| 年 | 連邦最低賃金(時給) |
|---|---|
| 1983年 | 3.35ドル |
| 1984年 | 3.35ドル |
| 1985年 | 3.35ドル |
| 1986年 | 3.35ドル |
| 1987年 | 3.35ドル |
3.35ドルという水準が設定された背景
時給3.35ドルという最低賃金は、1977年に改正された公正労働基準法(Fair Labor Standards Act:FLSA)に基づいて段階的に導入されたもので、1981年1月1日に最終段階に達しました。その後、レーガン政権下でのインフレ抑制政策なども影響し、この水準は長期間にわたって据え置かれることになりました。
実質価値の低下とその後の引き上げ
1980年代を通じて物価は上昇し続けたため、名目上は変わらない3.35ドルでも、実際に購入できるモノやサービスの量は年々減少していきました。この「凍結」状態は約9年間続き、ようやく1990年4月に時給3.80ドルへ、さらに1991年4月には4.25ドルへと引き上げられました。
まとめ
1983年から1987年までの連邦最低賃金は、常に時給3.35ドルでした。この期間は、米国史上でも比較的長く最低賃金が改定されなかった時期の一つであり、インフレによる実質賃金の目減りが社会問題として意識されるきっかけとなりました。最低賃金の歴史を理解するうえで、この「凍結期」は重要な転換点といえるでしょう。