有名な演説の一節「フォー・スコア・アンド・セブン・イヤーズ・アゴ」
「Four score and seven years ago(フォー・スコア・アンド・セブン・イヤーズ・アゴ)——87年前、私たちの先祖はこの大陸に新しい国家を生み出しました」。この言葉は、1863年にアメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが述べた、歴史に残る名演説「ゲティスバーグ演説」の冒頭部分です。
「スコア」という言葉の意味
ここで使われている「score(スコア)」は英語で「20年」を意味する単位です。つまり「4スコアと7年前」は「4×20+7=87年前」を指します。南北戦争当時から87年前、すなわち1776年のこと。これはまさに、アメリカがイギリスからの独立を宣言した独立宣言が採択された年です。
リンカーンはこの表現によって、「建国の理念に立ち返ろう」というメッセージを聴衆に強く訴えかけたのです。
ゲティスバーグ演説が語られた背景
この演説は、1861年から1865年にかけて続いた南北戦争(アメリカ内戦)の中で行われました。1863年7月、ペンシルベニア州ゲティスバーグで繰り広げられた戦いは、北軍(連邦軍)が南軍(南部連合軍)を破った決定的な転換点となりました。
同年11月、戦没者を追悼するために建立される国立墓地の献納式典において、リンカーンは短時間の演説を行いました。わずか数分間、300語足らずの言葉でしたが、その内容は後世に深く刻まれることになります。
演説の核心的なメッセージ
ゲティスバーグ演説では、次のような理念が語られました。
- 国家は「自由」を掲げて誕生し、すべての人は平等に創られているという信念の上に成り立っている
- 現在進行中の内戦は、そのような国家が永続できるのかを試す試練である
- 戦った人々の犠牲に報いるため、生き残った者が「人民による、人民のための政治」を絶やさぬよう尽力すべきである
特に結びの言葉である「人民の、人民による、人民のための政治(of the people, by the people, for the people)」は、民主主義の本質を一言で表した表現として、今日でも世界中で引用され続けています。
現代に受け継がれる遺産
ゲティスバーグ演説は、アメリカ史における最も重要な文書の一つとされ、独立宣言や憲法と並んで国民の精神的な柱となっています。短いながらも力強いこの演説は、平等と自由という普遍的な価値観を問い直すきっかけを与えてくれるものです。