中部植民地(Middle Colonies)とは
中部植民地とは、アメリカ独立戦争以前にイギリスが北米東海岸に建設した13植民地のうち、北部のニューイングランド植民地と南部植民地の間に位置する4つの植民地を指します。肥沃な土地と温暖な気候に恵まれ、小麦などの穀物生産が盛んだったことから、「パンかご植民地(Breadbasket Colonies)」とも呼ばれていました。
1. ニューヨーク植民地(New York)
所在地:現在のニューヨーク州。ハドソン川沿いから大西洋岸にかけて広がっています。
元々はオランダ人による「ニューネーデルラント」でしたが、1664年にイギリスが占領し、ヨーク公にちなんで現在の名称に改められました。ニューヨーク港を擁する交易の要衝として大きく発展しました。
2. ニュージャージー植民地(New Jersey)
所在地:ニューヨークのすぐ南、ハドソン川と大西洋の間に位置し、西側はデラウェア川を境界としています。
現在のニュージャージー州に相当し、ニューヨークとフィラデルフィアという二大都市を結ぶ交通の要所として栄えました。
3. ペンシルベニア植民地(Pennsylvania)
所在地:ニュージャージーの西側に位置し、デラウェア川からアパラチア山脈まで広がっています。
1681年にウィリアム・ペンが設立したクエーカー教徒の植民地で、宗教的な寛容さで知られ、ドイツ系やスコットランド系アイルランド人など多くの移民を受け入れました。中心地フィラデルフィアは当時北米最大級の都市へと成長しました。
4. デラウェア植民地(Delaware)
所在地:ペンシルベニアの南、デラウェア湾の西岸に位置しています。
当初はペンシルベニアの一部として統治されていましたが、1704年に独自の議会を持ち、事実上の自治権を獲得しました。農業と海運業が経済の柱となっていました。
まとめ
中部植民地は、ニューヨーク・ニュージャージー・ペンシルベニア・デラウェアの4つで構成され、いずれも現在の同名の州にあたる地域に位置していました。多様な民族と宗教が共存し、商業と農業がともに栄えたことから、後世には「アメリカの縮図」とも呼ばれるようになりました。