オセアニアの歴史

最も一般的な国際移住パターンとは?「南南移動」の実態と背景を解説

国際移住の主流は「南南移動」である

世界で最も一般的な国際移住のパターンは、南南移動(South-South migration)です。これは、ある開発途上国から別の開発途上国へと人々が移動することを指します。

従来は「北から南」ではなく、「南(開発途上国)から北(先進国)」への移動――いわゆる南北移動が国際移住の中心だと考えられがちでした。しかし近年、南南移動は着実に増加しており、現在では南南移動する人の数が南北移動を上回っていると推定されています。

南南移動が増加している主な理由

南南移動が拡大している背景には、複数の要因が絡み合っています。

1. 経済的な機会の存在

多くの開発途上国が高い経済成長を実現しており、自国よりも隣国や地域内の国々に雇用やビジネスのチャンスを見出すケースが増えています。特に建設業やサービス業などの人手不足分野では、地域内での労働力の流れが活発化しています。

2. 政治的・社会的な安定性の追求

紛争や政情不安を避け、比較的安定した暮らしを求めて、地理的に近い国へ移住する動きも見られます。難民や国内避難民の発生地の近くにある国々が受け入れ先となることが少なくありません。

3. 文化的・言語的な類似性

移住先との文化や言語、宗教、生活習慣が似ているほど、新しい環境への適応は容易になります。このため、同じ地域圏内や歴史的なつながりのある国同士の間で移住が起こりやすいという傾向があります。

南南移動が社会にもたらす影響

南南移動は、送金(レミタンス)を通じて母国の家計や地域経済を支える重要な役割を果たしています。また、受け入れ側の国にとっては労働力の供給源となる一方、公共サービスへの負担増や都市部への人口集中といった課題も生じます。

国連などの国際機関によれば、今後も開発途上国間の人的移動は続くと見られており、南南移動への理解と適切な政策対応は、グローバルな移住管理においてますます重要性を増していくでしょう。