アメリカにおいて、黒人と白人の異人種間結婚(インターラシャル・マリッジ)が全土で法的に認められるようになったのは、1967年のことです。
最高裁判決が変えた歴史
1967年6月12日、アメリカ合衆国最高裁判所は「ラヴィング対バージニア州事件(Loving v. Virginia)」と呼ばれる歴史的な判決を下しました。この判決により、異人種間の結婚を禁じる法律は憲法に違反するものであると認定され、結果として全50州において異人種間結婚が合法化されました。
判決の背景にあった夫婦の物語
この訴訟の当事者となったのは、白人男性のリチャード・ラヴィング氏と、黒人およびネイティブ・アメリカンの血を引く女性ミルドレッド・ラヴィング夫人の夫婦です。二人は1958年にワシントンD.C.で結婚しましたが、当時のバージニア州では異人種間結婚を禁じる「反異人種混婚法(アンチミセセゲーション法)」が存在していました。帰郷した二人は逮捕され、州からの退去を強いられました。
これに抗議するため夫婦が起こした訴訟は9年間にわたり、ついに連邦最高裁判所まで持ち込まれることになりました。最高裁は「婚姻の自由はすべての人に保障される基本的な権利である」と判断し、人種に基づく結婚の制限を違憲と断じたのです。
現在への影響
この画期的な判決は、公民権運動における重要な勝利の一つとされています。また、判決が下された6月12日は「ラヴィング・デー(Loving Day)」として記念され、毎年アメリカ各地で人種平等を祝うイベントが開催されています。ラヴィング夫妻の勇気ある闘いは、今日の多様性と平等をめざす社会の基盤の一つとなっています。