南アメリカの歴史

バスコ・ダ・ガマはどうやって航海した?大航海時代を支えた6つの航海術

15世紀末、ヨーロッパとインドを結ぶ新しい海の道を切り開いたポルトガルの探検家、バスコ・ダ・ガマ。彼は当時最先端だった航海技術を駆使し、アフリカ南端の喜望峰を回る過酷な航海を成し遂げました。この記事では、バスコ・ダ・ガマが実際に用いた航海術と航海器具について、わかりやすく解説します。

1. 推測航法(デッドレコニング)

推測航法とは、出発地点からの針路、速度、経過時間をもとに、現在の船の位置をおおよそ割り出す方法です。バスコ・ダ・ガマはアフリカ沿岸に沿って南下する間、この方法で自船の進行状況を逐一把握していました。陸が見えなくなっても、羅針盤や砂時計で測った時間を組み合わせることで、進路を見失わずに済んだのです。

2. 天測航法

天測航法は、太陽や月、星といった天体の位置を観測して、自分のいる場所の緯度を求める方法です。バスコ・ダ・ガマは海上で天体の動きを注意深く観察し、船の現在位置を確認しました。広大な大洋には目印となる陸地がないため、空にある天体こそが唯一の「道しるべ」だったのです。

3. 沿岸航法

沿岸航法は、海岸線を目視しながら航行する方法です。バスコ・ダ・ガマは航海の初期段階では海岸線を頼りに進み、山や岬などの地形を目印として活用することで、外洋での遭難リスクを抑えました。ただし、喜望峰を越えてインド洋に入ると陸地の見えない外洋航海が中心となるため、天測航法と推測航法の重要性が一層高まりました。

4. アストロラーベ(天文儀)

アストロラーベは、天体の高度(水平線からの角度)を測定するための航海用具です。バスコ・ダ・ガマはこれを使って太陽や月の高度を測り、そこから船の緯度を割り出しました。当時のポルトガル船に搭載されていた改良型の航海用アストロラーベは、遠洋航海を可能にした大きな要因の一つといわれています。

5. 羅針盤(コンパス)

羅針盤は方角を知るための最も基本的な航海器具です。バスコ・ダ・ガマは羅針盤によって常に針路を確認し、霧や嵐で視界が悪くなったときでも、進むべき方向を見失うことなく航行することができました。

6. 象限儀(クアドラント)

象限儀は、天体と水平線との間の角度を測るための道具です。バスコ・ダ・ガマは北極星や太陽の高度を測定し、その結果をもとに緯度を求めました。なお、正確な経度を海上で測定する技術は当時まだ存在せず、東西方向の位置は主に推測航法によって見積もられていました。

まとめ

バスコ・ダ・ガマは、推測航法・天測航法・沿岸航法という3つの基本的な航海方法を状況に応じて使い分け、さらにアストロラーベ、羅針盤、象限儀といった当時最新の航海器具を駆使しました。これらの技術と知識の組み合わせこそが、ヨーロッパからインドへ至る新航路の開拓を成功させた最大の鍵となったのです。