ヨーロッパの歴史

成功した十字軍はどれ?第1回から第7回までの成果をわかりやすく解説

はじめに

中世ヨーロッパで行われた十字軍は、聖地エルサレムをめぐる大規模な遠征として知られていますが、その成果は遠征ごとに大きく異なります。ここでは、歴史上の主要な十字軍のうち、目的を達成したものとそうでないものを整理して解説します。

第1回十字軍(1095年〜1099年):最大の成功例

第1回十字軍は、1099年にエルサレムを攻略し、イスラム勢力から聖地を奪取することに成功しました。この遠征によって「エルサレム王国」が建国され、十字軍国家の基礎が築かれた点で、数ある十字軍の中でも最も成功した遠征とされています。

第3回十字軍(1189年〜1192年):エルサレム奪還はならず

1187年にサラディンによってエルサレムが陥落したことを受け、イングランド王リチャード1世(獅子心王)らが率いたのが第3回十字軍です。しかし、この遠征でエルサレムの奪還は実現しませんでした。それでも、サラディンとの和約によりキリスト教徒の巡礼者の聖地訪問が認められ、アッコなどの沿岸都市を確保するなど、一定の成果は上げています。

第4回十字軍(1202年〜1204年):目的外の展開

もともとエルサレム奪還を目指した第4回十字軍ですが、資金不足などの事情から経路を変更し、結果としてビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを攻略。「ラテン帝国」を樹立しました。当初の目的は達成できませんでしたが、遠征としては軍事的目标を達成した特異な例です。

第6回十字軍(1228年〜1229年):外交による獲得

神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世が率いた第6回十字軍は、武力衝突を避け、エジプトのスルタン・アル=カーミルとの交渉によって、エルサレムを含む聖地の一部をキリスト教側に取り戻すことに成功しました。ただし、これらの領土は後に失われ、1244年にはエルサレムは再びイスラム勢力の支配下に入っています。

第7回十字軍(1248年〜1254年):部分的な成功にとどまる

フランス王ルイ9世(後の聖王)が率いた第7回十字軍は、エジプトの港湾都市ダミエッタを占領することに成功しました。しかし、その後カイロ進出の途上で敗北し、王自身が捕虜となるなど、エルサレム奪還という本来の目的は果たせませんでした。

まとめ

十字軍の中で明確な成功を収めたのは、エルサレム王国を樹立した第1回十字軍、そして外交交渉によって聖地を一時回復した第6回十字軍です。一方、第3回・第7回十字軍は部分的な成果にとどまり、第4回十字軍は当初の目的から大きく外れた結末となりました。十字軍の歴史は、軍事的な勝利だけでなく、外交や政治的事情によっても左右された複雑なものであったといえます。