トルデシリャス条約の概要
トルデシリャス条約は、1494年6月7日にスペイン王国とポルトガル王国の間で締結された歴史的な協定です。この条約では、ヨーロッパ以外で新たに発見された土地を両国の間で分割することが定められました。具体的には、カーボベルデ諸島の西370リーグ(約1,770キロメートル)の地点を通る南北の子午線が境界線とされました。
当時、ポルトガルによるアフリカ探検とスペインによるアメリカ大陸探検が進むにつれ、領土をめぐる両国間の対立と緊張が高まっていました。トルデシリャス条約は、こうした紛争を平和的に解決するために結ばれたものです。
条約の主な内容
1. 世界の分割
条約では、極点から極点へと走る仮想の境界線が引かれ、世界が二つの半球に分けられました。境界線より東側に発見された、または今後発見される土地はすべてポルトガルに、西側の土地はすべてスペインに与えられることになりました。
2. 境界線の位置
境界線の正確な位置は、カーボベルデ諸島の西370リーグと定められました。しかし、当時の地理学の知識には限界があり、この線の正確な経度を測定することは困難でした。そのため、後にスペインとポルトガルの間でさらなる争いが生じる一因となりました。
3. 例外規定
条約には、調印前にすでに発見または領有権を主張していた領土に関する例外も盛り込まれていました。例えば、ポルトガルはアフリカや東方における支配地、そして利益の大きい香辛料貿易路を保持し続けました。一方、スペインはカリブ海地域とアメリカ大陸で新たに発見された土地に対する権利を維持しました。
4. 探検と発見の継続
条約により、スペインとポルトガルはそれぞれの半球内であれば、相手国の領土を侵害しない限り、探検と新天地の発見を続けることが認められました。この規定は、その後の両国によるさらなる探検と植民地化への道を開くことになりました。
5. ローマ教皇の承認
トルデシリャス条約は、1493年5月4日にローマ教皇アレクサンデル6世が発布した教皇勅書「インテル・カエテラ」によって裏付けられました。この勅書は、境界線より西側で発見された、または発見される予定のすべての土地に対する排他的な権利をスペインに与えるものであり、条約の正当性をさらに強固なものにしました。
条約がもたらした歴史的影響
トルデシリャス条約は、アメリカ大陸の探検と植民地化に重大な影響を及ぼしました。新大陸をスペインとポルトガルの間で分割する形で地政学的な構図を定め、その後のヨーロッパ列強によるアメリカ大陸の開発と入植のあり方を左右することになったのです。ブラジルがポルトガル語圏であり、その他の中南米諸国の多くがスペイン語圏であるという現代の言語分布にも、この条約の影響が色濃く残っています。