16世紀、大航海時代の波に乗ったスペインは、新大陸へと積極的に進出していきました。その先頭に立ったのが「コンキスタドール(征服者)」と呼ばれる冒険者たちです。彼らは少数の兵力ながらも広大な帝国を征服し、中南米の歴史を大きく塗り替えました。ここでは、スペイン史上特に有名な13人のコンキスタドールを、生没年と主な功績とともに紹介します。
スペインの有名な13人の征服者一覧
1. エルナン・コルテス(Hernán Cortés/1485〜1547)
アステカ帝国を征服した、最も有名なコンキスタドールの一人。1519年にメキシコへ遠征し、わずか数百人の部下でアステカ帝国を崩壊させ、その跡地に現在のメキシコシティの基礎を築きました。
2. フランシスコ・ピサロ(Francisco Pizarro/1478〜1541)
南米征服の中心人物。1532年にインカ帝国を征服し、ペルーの首都リマを建設しました。コルテスと並ぶコンキスタドールの代表格です。
3. バスコ・ヌーニェス・デ・バルボア(Vasco Núñez de Balboa/1475〜1519)
1513年、パナマの地峡を越えて太平洋に到達した最初のヨーロッパ人となり、その海域を「南海」としてスペイン領であると宣言しました。
4. フアン・ポンセ・デ・レオン(Juan Ponce de León/1474〜1521)
プエルトリコ初代総督を務め、1513年にフロリダ半島を発見。伝説の「若返りの泉」を求めて探検を続けたことでも知られています。
5. アルバル・ヌーニェス・カベサ・デ・バカ(Álvar Núñez Cabeza de Vaca/1490〜1559)
1528年の遭難後、約8年かけて北米大陸を徒歩で横断。その壮絶な体験を綴った記録『難破譚』は、当時の先住民社会を知る貴重な史料となっています。
6. エルナンド・デ・ソト(Hernando de Soto/1500頃〜1542)
ピサロのインカ遠征に参加した後、北米南東部を大規模に探検し、1539年にミシシッピ川を発見。しかし熱病にかかり、遠征の途中でこの世を去りました。
7. フランシスコ・バスケス・デ・コロナド(Francisco Vásquez de Coronado/1510〜1554)
伝説の「黄金の七都市(シボラ)」を求め、1540年から北米南西部を大規模に探検。グランドキャニオンやリオ・グランデ川流域にまで到達しましたが、黄金はついに見つかりませんでした。
8. ペドロ・デ・アルバラード(Pedro de Alvarado/1485〜1541)
コルテスの右腕として活躍した後、独自にグアテマラとエルサルバドルを征服。赤い髪と激しい気性から、先住民に「太陽(トナティウ)」と呼ばれたといいます。
9. クリストバル・デ・オリッド(Cristóbal de Olid/1488〜1524)
コルテスの部下としてキューバやメキシコの征服に参加し、後にホンジュラスを征服。しかしコルテスに背いたことが原因で処刑されました。
10. ゴンサロ・ヒメネス・デ・ケサーダ(Gonzalo Jiménez de Quesada/1509〜1579)
1536年以降、現在のコロンビアにあたる地域を探検し、ムイスカ人の王国を征服。首都ボゴタを建設し、その地域は後に「エル・ドラード伝説」の舞台ともなりました。
11. セバスティアン・デ・ベラルカーサル(Sebastián de Belalcázar/1480〜1550)
ピサロの部下としてインカ帝国の征服に加わり、その後エクアドル一帯を平定。キトやグアヤキルなど、現在のエクアドル主要都市の基礎を築きました。
12. ペドロ・デ・バルディビア(Pedro de Valdivia/1497〜1553)
ペルーからさらに南へ進み、チリを征服。首都サンティアゴをはじめとする複数の都市を建設しましたが、マプチェ族との戦い(アラウコ戦争)の中で命を落としました。
13. フアン・デ・ガライ(Juan de Garay/1528〜1583)
リオ・デ・ラ・プラタ地方(現在のアルゼンチン周辺)を探検し、1580年に一度放棄されていたブエノスアイレスを再建設。同市の事実上の創設者として知られています。
まとめ
これらのコンキスタドールたちは、卓越した行動力と野心、そして時に残酷な手段によって、新大陸の歴史を一変させました。彼らの遠征はスペイン帝国の繁栄をもたらした一方で、アステカやインカといった先住民文明に壊滅的な打撃を与えたことも事実です。しかし、彼らが築いた都市や開拓した土地は、今日の中南米諸国の言語、文化、国土の姿に深く刻まれ続けています。