旧約聖書の創世記によれば、族長アブラハムには生涯で合計8人の息子がいました。すなわち、イサク、イシュマエル、そして後妻ケトラとの間に生まれたジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアの6人です。彼らの末裔は、後にイスラエル民族や周辺諸民族の形成へとつながっていきます。
約束の子・イサク
イサクはアブラハムと正妻サラの間に老年になって与えられた息子で、神とアブラハムの間の契約の正当な相続人と位置づけられています。兄たちとは異なり、イサクだけが父の財産と契約を受け継ぎました。
イサクはリベカを妻とし、双子のエサウとヤコブをもうけます。このヤコブこそが「イスラエル」と名を改め、十二部族の父となったため、イサクの家系はイスラエル民族の直系の祖として聖書全体を通じて中心的な役割を担うことになります。
長男イシュマエル
イシュマエルは、サラの侍女ハガルとの間に生まれたアブラハムの最初の息子です。母ハガルがエジプト出身であったことから、彼もまた特別な扱いを受けました。
創世記によれば、イシュマエルは荒野で育ち、パランの荒野に住み着き、12人の部族の長となる息子たちをもうけました。彼は137歳で亡くなったと記されており、その子孫は後にアラビア方面の諸民族と結びつけて語られることが多くなっています。
ケトラとの間に生まれた6人の息子たち
サラの死後、アブラハムはケトラという女性を妻として迎え、そこから6人の息子が生まれました。
- ジムラン
- ヨクシャン — シバとデダンの父とされます
- メダン
- ミディアン — 後のミディアン人(ミデヤン人)の祖
- イシュバク
- シュア
中でも注目すべきはミディアンです。その子孫であるミディアン人は、後にモーセがエジプトを逃れて身を寄せた地の人々として登場し、モーセはミディアンの祭司エトロの娘ツィポラを妻としています。こうしてケトラの子孫もまた、イスラエルの歴史に深く関わっていくのです。
息子たちへの遺産分配
興味深いことに、創世記25章では、アブラハムが生前にそば女たちの子らに贈り物を与え、東の方へ送り出したことが記されています。これは、すべての財産と契約をイサク一人に集中させるための措置でした。つまり、8人の息子の中で、神の契約の線を継いだのはイサクただ一人だったのです。
まとめ
アブラハムの8人の息子たちは、それぞれ異なる道を歩みました。契約の相続人イサクはイスラエル民族の祖となり、長男イシュマエルは12部族の長の父として荒野の民の祖となりました。そしてケトラとの6人の息子たちも、ミディアン人など周辺諸民族の起源となっていきます。一人の族長から広がったこれらの家系は、聖書の物語全体を貫く重要なテーマとなっているのです。