アイギナ島の元の住民――アイギナ人とは
アイギナ島の元の住民は「アイギナ人」と呼ばれるギリシャ民族です。彼らは新石器時代から紀元前5世紀頃まで、サロニコス湾に浮かぶこの島に暮らしていました。
アイギナ人は優れた航海技術を持つ海洋民族として知られ、ギリシャ各地の都市国家との交易で大いに栄えました。当時のエーゲ海経済において重要な役割を果たし、商業都市として高い評価を受けていました。
アイギナ人が姿を消した理由
アイギナ人の衰退には、いくつかの要因が複雑に絡み合っていました。
第一に、地震や津波といった自然災害が島の社会基盤に深刻な打撃を与えました。第二に、アテネやスパルタといった強力なギリシャ都市国家との対立が深まり、度重なる侵攻にさらされるようになりました。
特に決定的だったのはペロポネソス戦争(紀元前431年〜前404年)への巻き込みです。この戦争はエーゲ海域全体の人口を大きく減少させ、アイギナ島も例外ではなく、島の人口は壊滅的な打撃を受けました。
島の再人口化と動物たちの役割
荒廃したアイギナ島を再び活性化させるため、ヤギ、羊、豚などの家畜がギリシャ本土から持ち込まれました。これらの動物たちは、新しい居住者たちに肉や乳製品、皮革といった生活資源を安定的に供給する重要な役割を担いました。
同時に、アテネやスパルタなど他の都市国家からも新しい入植者が招かれ、島の人口は徐々に回復していきました。家畜の導入と人間の移住という二つの柱によって、アイギナ島は再び生命あふれる島へと生まれ変わったのです。