1066年のノルマン・コンクエストと教会の変革
アングロサクソン教会がノルマン教会へと変貌を遂げたのは、1066年に始まったノルマン人のイングランド侵攻と、その後の征服・同化のプロセスによるものでした。ウィリアム征服王に率いられたノルマン人は、フランス語を話すノルマンディー出身の人々であり、イングランドに上陸すると瞬く間にアングロサクソン人に対する支配権を確立しました。
聖職者層の入れ替え
ノルマン侵攻がもたらした最も重要な変化の一つが、ノルマン式の教会ヒエラルキーの導入です。ノルマン人はアングロサクソン人の司教や大修道院長を、自らが任命したフランス人やノルマン人と交代させました。これにより、イングランド教会の文化や慣習は大きく変化することとなりました。
ローマ教皇庁との結びつきの強化
ノルマン教会は、それまでのアングロサクソン教会よりもローマ教皇庁との結びつきが強くなりました。これは、ノルマン人がフランス教会と密接な関係を持ち、フランス教会自体もローマと緊密につながっていたことが一因です。さらに、ノルマン教会は典礼におけるラテン語の使用をはじめ、フランス教会の多くの典礼上の慣習を採り入れていきました。
ノルマン建築の導入
ノルマン・コンクエストは、イングランド教会の建築にも大きな影響を与えました。ノルマン人は「ノルマン建築」と呼ばれる新しい様式をもたらします。この様式は、半円形のアーチと分厚い石壁の使用が特徴で、この時期にイングランドの多くの大聖堂や教会がノルマン様式で建てられました。
融合して生まれた新しいイングランド教会
時代が経つにつれ、アングロサクソン教会とノルマン教会は次第に融合し、新たなイングランド教会が誕生しました。この新しい教会はアングロサクソン教会の伝統の一部を受け継ぎつつも、ノルマン教会からの影響を強く受けていました。こうして教会は中世イングランドにおける強力な制度となり、イングランドの文化と社会の形成に重要な役割を果たすことになったのです。