インカ帝国は、南米アンデス地域に栄えた先コロンブス期(コロンブスがアメリカ大陸に到達する以前)の文明です。その歴史はおおよそ13世紀から16世紀にわたります。
インカ帝国の成立(13世紀頃)
インカの起源は、13世紀頃に現在のペルー南部のクスコ盆地に定住した小さな王国であると考えられています。伝説によれば、初代皇帝マンコ・カパックがクスコを建設したとされ、当初は周辺の部族と並ぶ規模に過ぎませんでした。
帝国としての飛躍(15世紀)
15世紀に入り、9代目の皇帝パチャクテク(パチャクティ)の時代にインカは急速な拡大を遂げます。1438年頃から始まった征服活動により、領土はペルーを中心にエクアドル、ボリビア、チリ、アルゼンチン、コロンビアの一部にまで及びました。
最盛期のインカ帝国は「タワンティンスーユ(四つの邦)」と呼ばれ、人口は1,000万人を超えたとも言われる、南米史上最大の帝国となりました。高度な石造建築技術や広範な道路網(インカ道)、キープと呼ばれる結縄による記録システムなどが特徴です。
スペインによる征服と滅亡(16世紀)
1532年、スペイン人の征服者フランシスコ・ピサロが率いる一団がインカに到達します。翌1533年には皇帝アタワルパが処刑され、帝国は事実上崩壊しました。
その後も一部の勢力はビルカバンバなどで抵抗を続けましたが、1572年に最後の皇帝トゥパク・アマルが処刑され、インカ帝国は完全に滅亡しました。
まとめ
インカ帝国は13世紀にクスコで興り、15世紀に最盛期を迎え、16世紀にスペインによって滅ぼされた、約300年の歴史を持つ文明です。マチュ・ピチュに代表される遺跡は今も世界中の人々を魅了し続けています。