考古学的発見

ピニージャ・デル・バジェ遺跡群の一般公開日:ネアンデルタール人の世界に触れる一日

偶然の発見だったという5つの遺跡からなるこの遺跡群は、長年にわたり多岐の分野にわたる専門家たちによって調査されてきました。プロジェクトを率いるのは、私たちにとっても馴染み深い3名の研究者です。古人類学者のフアン・ルイス・アルスアガ氏(マドリード・コンプルテンセ大学とカルロス3世健康研究所による人類進化・行動研究センター所長、アタプエルカ研究プロジェクト共同ディレクター)、考古学者のエンリケ・バケダノ氏(マドリード州地域考古学博物館(MAR)館長、タンザニア・オルドヴァイ研究プロジェクト共同ディレクター)、そして地質学者のアルフレド・ペレス=ゴンサレス氏(ブルゴスの国立人類進化研究センター(CENIEH)副所長)です。

ピニージャ・デル・バジェ遺跡群の一般公開日:ネアンデルタール人の世界に触れる一日

このプロジェクトは12年にわたり、毎年の調査キャンペーンでの発見とともに成長を続けてきました。中でも2015年は、完全な形のサイの頭骨が出土し、さらに「ロソヤの少女」と愛称されるネアンデルタール人の少女の顎骨の一部も見つかったことで、長く記憶される年となりました。これらの遺物は、ネアンデルタール人が生きていた環境や食生活を明らかにする貴重な資料であるだけでなく、サイの頭骨が儀式的な目的で使用された可能性があることから、ネアンデルタール人の思考様式を知る手がかりにもなりうると期待されています。ブエナ・ピンタ洞窟(Cueva de la Buena Pinta)、デスクビエルタ洞窟(Cueva Descubierta)、カミーノ洞窟(Cueva del Camino)(調査は終了し、現在は見学のみ可能)、オセラード洞窟(Cueva del Ocelado)、そしてナバルマイジョ岩陰(Abrigo de Navalmaíllo)の各遺跡で展開される学際的な研究の数々は、この調査の重要性と厳密な姿勢、そしてマドリード州北部における研究の有望な将来性を雄弁に物語っています。

こうした成果により、ピニージャ・デル・バジェは「ネアンデルタールの谷」と称されるようになりました。イベリア半島全体に分布する約20個体分のネアンデルタール人の遺骨のうち、実に3個体分の遺骸がこの一つの遺跡群から出土しているのです。

「ネアンデルタールの谷」は、一般公開日の翌日、マドリード州知事クリスティーナ・シフエンテス氏によって正式に開設されました。知事は、この遺跡群が「ネアンデルタール人に関する重要な解説センターになるだろう」と述べました。魅力的な種であるネアンデルタール人をめぐる研究は、今後も長年にわたって続けられていくことでしょう。

ピニージャ・デル・バジェ遺跡群の一般公開日:ネアンデルタール人の世界に触れる一日

当日は専門家から一般の愛好家まで数百人が来場し、遺跡の調査に実際に携わる研究者たち自身による充実したガイド付き見学ツアー(なんと無料!)が行われました。来場者の中には、お子様連れやペット連れの姿も。人類の最も遠い起源に触れ、学びたい子どもたちやペットたちで、「ネアンデルタールの谷」は大いに賑わいました!