考古学的発見

古代都市ペトラの神殿は「天文時計」だった?ナバテア人の天文学と宗教の秘密

古代都市ペトラの神殿は「天文時計」だった?ナバテア人の天文学と宗教の秘密

ヨルダンの古代都市ペトラに佇む壮麗な神殿は、実は「天文時計」としても機能していた可能性があることが分かってきました。カナリア天体物理研究所の天体物理学者フアン・アントニオ・ベルモンテ氏によれば、こうした記念碑的な建造物は、ペトラを築いたセム系民族・ナバテア人の天文学に関する知見が反映された「実験室」のような存在だったといいます。

冬至の光が生み出す神秘的な現象

神殿の扉の位置や建物全体の配置は、冬至という特別な時期に、太陽光がごく限られた条件でのみ内部へ入り込むように設計されていました。このとき建物の中に差し込む光が織りなす演出には、ナバテア人にとって宗教的な意味合いが込められていたと考えられています。

光と影が描く神聖な空間

具体例として挙げられるのが、幾本もの光の帯が整然と並んで出現する現象や、宗教的役割を見据えて戦略的な場所に安置された神像が投げかける影の特異な配置です。これらは偶然の産物ではなく、意図的に設計されたものであり、当時の信仰儀礼や神聖な体験と深く結びついていたとみられます。

砂漠に花開いたナバテア文明の知恵

ペトラは紀元前4世紀頃から紀元1世紀にかけてナバテア王国の都として栄えた岩窟都市であり、隊商交易を通じて巨大な富を築き上げました。高度な水利技術や岩石切削の建築技術でも知られていますが、今回の研究は、彼らが精密な天体観測の知識を実用建築に応用していたことを示す貴重な事例となっています。

詳細はこちら:SPACE.comの記事(英語)