「ナチスの黄金で満たされた列車」の発見発表は、確証にはほど遠いものの、当局が真剣に受け止めたことで、ポーランド中のトレジャーハンターたちに大きな興奮を巻き起こしている。

※写真:第二次世界大戦中、ナチス・ドイツがポーランド国内に掘削した地下坑道の竪坑の一つ
当局が警告する「危険な列車」
【貴重な発見か】文化国家遺産省のプレスリリースによると、文化財総監のピョートル・ズホフスキ氏は次のように述べた。「私が実在を確信しているこの隠された列車には、第二次世界大戦当時の危険物質が含まれている可能性がある。列車が爆薬で仕掛けられている可能性も極めて高い」
しかし彼は、この伝説的な列車――第二次世界大戦末期にヴロツワフ(当時の名称はブレスラウ)を出発し、ヴァウブジフ(旧称ヴァルデンブルク)近郊で忽然と姿を消したとされる――の存在を裏付ける物的証拠については一切提示しなかった。
「ヴァウブジフ周辺で『黄金列車』が発見されたとの情報が公表されて以降、トレジャーハンターの活動が活発化している。この発見を保護する正式な手続きが完了するまで、すべての探索活動を中止してほしい」と彼は呼びかけた。
2015年8月26日(水)に記者会見を行ったヴァウブジフ市当局も、情報開示には終始消極的だった。ただし「発見物」が同市の管轄区域内にあることだけは認めている。
匿名を希望するポーランド人とドイツ人の発見者の法律顧問を務めるヤロスワフ・フミェレフスキ氏によれば、両名はすでに地方政府および中央政府へ正式に通報し、「発見物の詳細な特徴を説明した」という。それによれば、発見物は全長120〜150メートルにおよぶ装甲列車とみられる。
自走砲と貴金属を積んだ装甲列車
一方、下シレジア地方の歴史の謎を扱う著書を多数持つヨアンナ・ランパルスカ氏(現地の調査事情に精通)によれば、当局への届け出の際、二人は列車の推定全長については明言しなかったという。ただしAFP通信に対し彼女は、「装甲列車であり、自走砲を搭載し、積荷には『貴金属、価値ある品々、工業資材』が含まれる」点については確認されたと語っている。
1945年に消えた二つの特別列車の伝説
1945年春に消息を絶った二つの特別なナチス列車の伝説は、長年にわたり多くのトレジャーハンターの想像力をかき立ててきた。この伝説の根拠となっているのが、ヴァウブジフ近郊にそびえる巨大なクシアンシュ城(独称フュルステンシュタイン)周辺をはじめとする、ドイツ側の大規模な地下建造物群の存在だ。
ナチスはヒトラーの大本営の一つを設置するため当地で大規模な工事を実施し、トンネル、深さ50メートルのエレベーター用竪坑、地下シェルターなどを掘り進めた。現在一般に公開されているのはその一部のみで、最深部にはポーランド科学アカデミー宇宙研究センターの地震計が設置されている。
「同じような告知は何十件もあった」
一部の証言では、全長約2キロメートルに及ぶ地下鉄道の引き込み線が存在し、その入口はナチス・ドイツの降伏時に解体、あるいは爆破によって破壊されたとされている。技術的には十分可能な工事だが、その実在性はこれまで有効な裏付けを得られていない。
ポーランドのメディアを熱狂させる今回の暴露話について、ランパルスカ氏はあくまで懐疑的な立場を崩さず、インターネットが生んだ「メディア狂騒」だと見ている。「こうした告知は何年にもわたって何十件もあった。今回は単に報道が大きく取り上げられただけです」と彼女は指摘する。「ドイツ人は自分たちの行為を、犯罪までも含めて文書に綿密に記録していました。ところが、この列車に関する記録は一切見つかっていないのです」
クシアンシュ城協会のクリストフ・ウルバンスキ会長も、自らの施設に突然集まる注目や、ジャーナリスト・観光客の流入の可能性を歓迎しつつも、同様に慎重な姿勢を保っている。「本当であれば嬉しい。ですが、私の知る限りにおいて、確認も否定もできません」と彼は語った。