考古学的発見

ツタンカーメンの墓の壁の裏に未知の空間はあるのか?イタリア研究チームがレーダー探査を再開

エジプト・ルクソールの「王家の谷」にあるツタンカーメン王の墓(KV62)で、新たなレーダー調査が始まりました。エジプト政府は、イタリア・トリノ工科大学の考古物理学部門に所属する研究チームに対し、同墓における最新鋭レーダーによる探査を正式に許可したのです。

ツタンカーメンの墓の壁の裏に未知の空間はあるのか?イタリア研究チームがレーダー探査を再開

エジプト、テーベ近郊の王家の谷にあるファラオ・ツタンカーメン王の墓(KV62)の内部。

伝説のファラオの墓に眠る「謎の空洞」を追って

古代エジプト第18王朝の若き王、ツタンカーメンの墓で、再び謎の空洞をめぐる探索が動き出しました。イタリア通信社アンサ(Ansa)が2018年1月30日に配信した報道によると、今回の探査は同年1月31日に開始され、2月6日まで実施される予定です。研究チームの目的は、「埋葬室の壁の裏に空き空間や隠し回廊が存在するかどうか」を確実に確認することにあります。

ツタンカーメンの墓の壁の裏に未知の空間はあるのか?イタリア研究チームがレーダー探査を再開

ナイル川西岸に広がる王家の谷の全景(写真提供:Leemage/AFP)

矛盾した過去の調査結果が残した課題

この騒動の発端は、2016年3月に王墓の埋葬室で行われた一連の調査でした。まず日本の専門家・渡辺浩克氏がサーモグラフィー(熱画像)解析を実施し、その後、米ナショナル ジオグラフィック協会のチームが地下レーダー探査を行いました。ところが、両者の調査結果は食い違い、空洞の有無については決着しないままとなっていました。

そこで今回、トリノ工科大学応用科学技術学部の物理学者フランコ・ポルチェッリ教授率いるチームが、英国のエジプト学者ニコラス・リーブス氏が唱えた仮説の検証を担うことになりました。同仮説によれば、ツタンカーメンの埋葬室の背後に未知の部屋が隠されており、そこには父アクエンアテンの王妃として知られるネフェルティティの遺体が安置されている可能性があるといいます。ただし、この説には懐疑的な見方を持つ専門家も少なくありません。

99%の信頼性を誇る次世代レーダー技術

ポルチェッリ教授によると、今回使用されるのは次世代のレーダー技術で、隠された構造物の存在を「99%の信頼性」で検出できる可能性があるとのことです。実際、教授が以前から数か月にわたり王墓周辺で実施してきた地盤比抵抗測定では、KV62から数メートルの距離に不審な空洞の存在が示唆されたといいます。

ただし、王家の谷には天然の亀裂が無数に存在するため、これらの観察結果の解釈には細心の注意が払われています。

国際的な共同調査体制

アンサの報道によれば、このプロジェクトにはトリノ工科大学の研究者に加え、イタリアの民間企業2社である3D Geoimaging社とGeostudi Astier社、英国のTerravision社、さらにカイロ考古学センターのエジプト人専門家たちが参加しています。国際色豊かな調査チームによる今回の探査が、3000年以上の時を超えて守られてきた少年王の墓の新たな秘密を明らかにするのか、世界中の考古学ファンが注目しています。