考古学的発見

クロアチアで発見された約7200年前のふるい状陶器 — 地中海最古のチーズ製造の痕跡

クロアチアで発見された新石器時代の陶器製ふるい

クロアチアで発掘された陶器の中に、ふるいに非常によく似た形状の器があります。その年代は約7200年前にさかのぼり、まさに新石器時代のものであることが判明しました。

乳脂肪分の痕跡が語るチーズ作りの歴史

注目すべきは、これらの器の表面に乳脂肪分(脂肪酸)の痕跡が今も残っている点です。これは地中海流域でこれまでに発見された中で最も古い例であり、この器がチーズの製造に使われていたことを強く示唆しています。

チーズがもたらした二つの大きな利点

牛乳と比べて、チーズは当時の人々にとって大きなメリットがありました。

第一に、消化のしやすさです。新石器時代の成人の多くは乳糖不耐症(乳糖を分解する酵素を持たない体質)でしたが、チーズは牛乳よりもはるかに消化しやすい食品でした。

第二に、長期保存が可能な点です。チーズは腐敗しにくく長持ちするため、干ばつや飢饉など食料が不足する時期の貴重な栄養源として、非常に有用でした。

この発見は、新石器時代の人々がすでに高度な食品加工技術を身につけていたこと、そして酪農がヨーロッパの食文化の重要な基盤となっていたことを物語る、貴重な考古学的証拠といえます。