分析手順における重要なステップ:経営者への質問(インクワイアリー)
監査における分析手順(analytical procedures)のプロセスの中で、特に重要なステップの一つとされるのが、被監査会社の経営者および社内関係者への質問(inquiry)です。このステップでは、会社の業務内容や財務諸表に精通している担当者に対して直接質問を行い、必要な情報を収集します。
質問(インクワイアリー)の目的
この問い合わせを通じて、監査人は以下のような点について理解を深めることができます。
- 会社が採用している会計方針および会計処理の実務
- 内部統制の仕組みとその運用状況
- 通常とは異なる取引や複雑な取引の有無
リスク特定への活用
これらの情報を入手することで、監査人は財務諸表に重要な虚偽表示(material misstatement)が生じるリスクが潜む領域をより的確に特定できるようになります。その結果、監査手続きをリスクの大きさに応じて適切に調整し、効率的かつ効果的な監査を実施することにつながります。
経営者への質問は一見単純な手続きに思われますが、監査計画の初期段階から実施まで幅広く活用される重要な手法であり、分析手順全体の質を左右する鍵となるステップだと言えます。