スペインの探検家フランシスコ・バスケス・デ・コロナドは、「黄金の七都市」やキベラの豊かな富にまつわる伝説を信じ、北米への遠征に出発しました。しかし、シボラとキベラで彼が実際に目にしたのは、想像とはかけ離れた現実でした。
シボラ(Cibola):黄金都市ではなくズニ族の村々
コロナドとその一行がシボラに到着したとき、そこにあったのは金銀で満たされた壮大な都市ではなく、ズニ族の集落の集まりでした。ズニ族は石や日干しレンガ(アドビ)で造られた住居に暮らしており、ターコイズ(緑松石)や銀の装身具を一部所有してはいたものの、その富はコロナドが思い描いていた規模からほど遠いものでした。
キベラ(Quivira):都市ならぬウィチタ族の散在する集落
失望しながらも遠征を続けたコロナド一行は、さらに北のキベラへと向かいました。そこで彼らが出会ったのはウィチタ族の人々です。キベラは一つの都市ではなく、点在するウィチタ族の集落のネットワークでした。ウィチタ族は農耕と狩猟を営む民族であり、草や獣皮で作られた住居に暮らしていました。
ここでも金も銀も見つかることはなく、コロナドの遠征はシボラでもキベラでも、伝説と現実のギャップに直面して終わることとなりました。この遠征は、北米大陸内陸部の実像をヨーロッパにもたらしたという点で歴史的な意義を持つ一方、探検家たちにとっては大きな幻滅の旅となりました。