考古学的発見

ベラ・クーラ(ヌクスアルク)は環境から得たどんな材料で必要な品々を作ったのか?

ベラ・クーラ(ヌクスアルク)は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の太平洋岸、ベラ・クーラ渓谷に古くから暮らしてきた先住民族です。彼らは周囲に広がる豊かな自然——森林、海、川、山——を巧みに活用し、生活に必要なほとんどすべてのものを自らの手で作り上げていました。ここでは、自然から得た材料と、それらを使って作られた品々の代表例を紹介します。

杉の樹皮から作られた品々

「命の木」とも呼ばれる杉(シーダー)は、ベラ・クーラにとって最も重要な資源でした。樹皮からは籠(かご)、マット、帽子などを編み、繊維は漁網やロープの材料にもなりました。杉の樹皮は柔らかく丈夫で、日常のあらゆる場面で重宝されました。

衣類

衣類には動物の毛皮、編んだ杉の樹皮、そしてシロイワヤギの羊毛が使われました。特にヤギの毛と杉の樹皮を組み合わせて織られた布は、儀式の際に身につける高級品として、富と地位の象徴とされていました。

カヌーと水上交通

ベイスギ(西洋赤杉)の巨大な幹をくり抜いて、カヌーやその他の舟を作りました。カヌーは海や川での移動、漁労、交易に欠かせない生命線であり、優れた木工技術の結晶でした。

トーテムポール・マスク・芸術作品

木材、石、骨、角を材料に、トーテムポールやマスク、さまざまな芸術作品が生み出されました。これらは単なる装飾品ではなく、精霊信仰や儀式と深く結びついた、民族文化の核心を担う大切なものでした。

武器・道具・狩猟漁撈具

  • 弓矢:しなやかで強靭なイチイの木材で弓を作り、矢じりには角や石を使用しました。
  • 漁網:杉の樹皮の繊維や動物の腱(すじ)を撚り合わせた糸で網を編みました。
  • 罠(わな)や仕掛け:木と骨を組み合わせて、動物を捕らえるための罠を作りました。

日用品・保存容器・調理器具

食料の保存容器や調理器具は、木材、樹皮、石、骨などで作られました。杉材を彫って箱を作ったり、板を水と熱で柔らかくして曲げて容器を形作るなど、高度な木工技術が駆使されていました。

薬

薬には植物、動物、鉱物が利用されました。世代から世代へと受け継がれた薬草の知識は、共同体の人々の健康を支える貴重な財産でした。

まとめ

ベラ・クーラの文化は、自然が与えてくれるものだけでいかに豊かに生きられるかを示す見事な例です。杉、動物、石を余すところなく活用する彼らの匠の技は、持続可能な暮らしの知恵として、今日でも大切に受け継がれています。