第二次世界大戦中、イギリスの家庭の庭に設置されたアンダーソン・シェルターは、空襲から人々の命を守る重要な避難施設でした。この小さなシェルターが爆撃にも耐えられる強度を持っていたのは、波型鉄板と土壌の組み合わせをはじめとする、いくつかの巧妙な構造上の工夫によるものです。ここでは、その構造的強度を支えた主要な要素を詳しく解説します。
1. 波型(コルゲート)鉄板の採用
アンダーソン・シェルターは、湾曲させた波型の鉄板を使用して建造されました。この波形が連続するアーチ状の構造を生み出し、大きな圧力がかかっても崩壊しにくい高い耐力を実現しました。
また、アーチ形状のおかげで、上に載せる土の重量が一点に集中せず、全体に均等に分散されます。これにより、特定の場所が押しつぶされて陥没するリスクが大幅に軽減されました。
2. 土による被覆
アンダーソン・シェルターは、四方を少なくとも約90cm(3フィート)の土で覆うよう設計されていました。この土の重さがシェルターに圧縮強度をもたらし、構造体を締め固めることで、外部からの力に対して安定した状態を保つ効果がありました。
さらに、爆風や落下してくる破片があった場合でも、土の層がクッションの役割を果たし、衝撃の多くを吸収することで、内部にいる人々を守りました。
3. 丸みを帯びた端壁
シェルターの両端には、レンガやコンクリート製の丸みを帯びた端壁が設けられていました。これは湾曲した金属の殻を地面にしっかりと固定する、強力なアンカーとして機能します。
これらの端壁は控え壁(バットレス)のように働き、圧力がかかった際にシェルターが横方向へ動いてしまうのを防ぎました。
4. 内部の支持構造
一部のアンダーソン・シェルターでは、強度をさらに高めるために追加の支持構造が組み込まれていました。具体的には、木製の根太(ジョイスト)、鋼材の桁、鉄筋コンクリートの柱などが使用されています。
これらの内部支柱は外部からの圧力に対抗し、構造全体の完全性を維持するのに役立ちました。
5. 開口部付近の補強
出入口や通気孔といった開口部は、構造全体を弱らせやすい弱点となるため、特別な注意が払われました。
この対策として、鉄筋コンクリートの枠や追加の金属製ブレース(補強材)が用いられ、これらの出入り口部分を支えて強化することが一般的でした。
まとめ
波型鉄板のアーチ構造、厚い土の被覆、丸みを帯びた端壁、内部の支持構造、そして開口部の補強――これらの要素が組み合わさることで、アンダーソン・シェルターは空襲時の爆風や落下物に耐えうる、極めて靭性の高い構造物となったのです。