「イラクを発見したのは誰か?」という問いに対して、正確な答えは特定の人物は存在しないということです。そもそも、現在のイラクにあたる土地は、誰かによって「発見」されたものではないからです。
数千年前から続く文明の大地
現在のイラクの国土には、何千年もの前から人類が住み続けてきました。この地域は古代メソポタミアと呼ばれ、世界最古級の文明がいくつも花開いた、「文明の揺りかご」として知られています。
この地を築き上げてきた主な文明には、以下のようなものがあります。
- シュメール文明 — 紀元前4500年頃にまで遡る、世界最古の文明の一つ。文字(楔形文字)の発明で知られます。
- アッカド帝国 — サルゴン王が築いた、史上初の大帝国とされる王朝です。
- バビロニア — ハンムラビ法典や空中庭園で有名な、ユーフラテス川流域の強国でした。
- アッシリア — 軍事力に優れ、広大な領土を支配した北方の帝国です。
「発見」という概念が当てはまらない理由
アメリカ大陸のように、それまで旧大陸の人々に知られていなかった土地を後から訪れた人物がいる場合には「発見」という言葉が使われることがあります。しかしイラクの場合、この土地自体が人類文明の発祥地の一つであり、最初から人々が暮らし、国家や都市を築いてきた歴史を持っています。つまり、誰かが後から「見つけた」土地ではないのです。
現代のイラク国家の成立
なお、現在の形での「イラク」という国家が誕生したのは比較的近年のことです。第一次世界大戦後にオスマン帝国が崩壊し、1921年にイギリスの委任統治下でイラク王国が成立しました。その後、1932年に独立を達成しています。
まとめると、イラクを一人の人物が「発見」したということはなく、この土地は古代シュメール以来、幾多の文明によって育まれてきた、深い歴史を持つ大地だと言えるでしょう。