はい、まちがいなくツタンカーメンにまつわる逸品です。ただし厳密に言うと、これは棺の蓋ではなく、ミイラの顔に直接かぶせられていた、あの世界的に有名な「黄金のマスク」です。
世界で最も有名な古代エジプトの至宝
黄金のマスクは、古代エジプト第18王朝のファラオ・ツタンカーメンのために作られた葬祭用の面具です。ツタンカーメンは紀元前1330年代頃に亡くなったとされる若き王で、即位はわずか9歳前後、死去は19歳前後だったことが知られています。在位期間こそ短かったものの、ほとんど盗掘を受けなかった墓の発見により、現代で最も有名なファラオとなりました。
発見の経緯
1922年、イギリスの考古学者ハワード・カーターが、ルクソール西岸の「王家の谷」でツタンカーメンの墓(KV62)を発見しました。ほぼ手つかずの状態で残されていた墓室からは、マスクをはじめ5,000点を超える副葬品が見つかり、その豪華さは世界中に大きな衝撃を与えました。
マスクの見どころ
マスクの重量は約10kgに及び、金を打ち出して成形した上に、ラピスラズリ、石英、黒曜石などが丁寧に象嵌されています。額には上エジプトと下エジプトを象徴するコブラとハゲワシの頭飾りが施され、ファラオの王権を示す象徴となっています。あごのひげや華やかな襟飾りも、若き王の威厳を見事に表現しています。
どこで見られる?
現在、黄金のマスクはエジプト・カイロのエジプト博物館に収蔵されており、その輝きを実際に目にすることができます。将来的には、ギザに建設された大エジプト博物館への移設も進められています。
なお、ツタンカーメンの棺は複数の棺が入れ子になった構造になっており、最内棺は純金製。その蓋にも、マスクとよく似た若き王の姿が浮き彫りにされています。「棺の蓋?」と思わせるのも納得の、そっくりな顔立ちなのです。