考古学的発見

マウンド・ビルダーズ(塚の建設者)はペットを飼っていたのか?

マウンド・ビルダーズとはどんな人々だったのか

「マウンド・ビルダーズ(塚の建設者)」とは、紀元前1000年頃からヨーロッパ人の到来まで、北米大陸の広範囲にわたって巨大な土塚(マウンド)を築いた先住民文化の総称です。オハイオ川流域やミシシッピ川流域を中心に、アデナ文化、ホープウェル文化、ミシシッピ文化といった複数の文化が、埋葬用の塚や宗教儀礼のための塚、住居の基盤となるプラットフォーム型の塚などを建設しました。

その代表例として知られるのが、アメリカ合衆国イリノイ州にあるカホキア遺跡です。この遺跡には120以上の土塚が今も残されており、11世紀から14世紀にかけては数万人規模の都市として繁栄していました。また、オハイオ州の「大蛇塚(サーペント・マウンド)」のように、蛇など動物の姿を模した独特の形状を持つ塚も存在します。

ペットを飼っていたのか?

結論から言えば、現代の私たちが思い描くような「ペット」という概念で動物を飼育していたという明確な証拠は見つかっていません。しかし、それはマウンド・ビルダーズが動物と一切関わりを持たなかったことを意味するわけではありません。

考古学的な発掘調査によると、北米の先住民社会では犬が古くから飼われていたことが分かっています。犬は狩りの助手や見張り役として活躍する一方、儀式や食料としても利用されていました。中には人間とともに埋葬された犬の骨が出土した事例もあり、単なる実用的な動物以上の特別な存在だった可能性もうかがえます。

さらに、北米南西部の一部の文化では七面鳥の飼育が行われており、羽毛の採取や儀式のために飼われていたと考えられています。ただし、これらはあくまで生活や儀礼の中での動物の利用であり、愛玩を目的とした現代的な「ペット」とは性質が異なるものでした。

まとめ

マウンド・ビルダーズと呼ばれる北米の先住民たちは、巨大な土塚を築き上げた卓越した技術と文化の持ち主でした。彼らが現代のような意味でペットを飼っていたという証拠はありませんが、犬や七面鳥などの動物を実用面や儀礼の場で活用していたことは考古学によって示されています。動物との向き合い方にも、彼らの豊かな文化の一端が表れているのです。