グリモアルド1世とは
グリモアルド1世は、アウストラシアの宮宰として名高いピピン・ド・ランデンの息子です。父の後を継いで宮宰(マヨル・ドムス)の地位に就いた彼は、並外れた野心の持ち主であり、その手腕によって国王ジギベルト3世の深い信頼を勝ち取りました。
王位継承をめざす大胆な計画
グリモアルドは自らの権力基らの権力基盤を盤石なものとするため、ある壮大な策略を思いつきます。それは、自分の息子を国王ジギベルト3世の養子として迎え入れさせ、メロヴィング朝の王名である「ヒルデベルト」を授けるというものでした。将来的には自らの血筋から王を輩出し、家門の地位を不動のものにする狙いがありました。
計画を狂わせた王子の誕生
しかし、この計画は思いがけない出来事によって揺らぎます。ジギベルト3世が、アイルランド出身の王妃との間に男子をもうけたのです。これが後のダゴベルト2世でした。
王の死後、グリモアルドは決断を下します。幼いダゴベルト2世を修道院に幽閉し、実の息子を「ヒルデベルト(養子王)」として王位に即位させたのです。
貴族たちの反乱と最期
しかしこの強引な行動は、アウストラシアの大貴族たち(グラン)の激しい怒りを買いました。彼らは結束して反旗を翻し、グリモアルドとその息子ヒルデベルトを打倒。両者は殺害され、グリモアルドの野望は無残にも潰えたのです。
とはいえ、彼の失敗は無駄には終わりませんでした。グリモアルドの属する一族、すなわち後のカロリング家は、やがてフランク王国の実権を掌握し、メロヴィング朝に代わる新王朝を樹立することになるのです。