海軍史上最後に戦闘で主砲を発射した戦艦
戦艦という艦種は第二次世界大戦を境にその主力の座を航空母艦に譲りましたが、その後も実戦に投入された例がいくつかあります。そして海軍の歴史において、最後に戦闘で主砲を発射した戦艦は、アメリカ海軍の「ミズーリ(USS Missouri、BB-63)」です。
1991年の湾岸戦争「砂漠の嵐作戦」での活躍
1991年、イラクによるクウェート侵攻を受けて多国籍軍が発動した「砂漠の嵐作戦(オペレーション・デザート・ストーム)」において、ミズーリはモダン化改修を経て再び現役に復帰し、実戦に参加しました。
同艦は直径40.6cm(16インチ)の巨大な主砲9門を備えており、クウェート国内に展開するイラク軍の陣地や目標に対して艦砲射撃を実施しました。この一連の砲撃によって、ミズーリは海軍史上「最後に戦闘に参加した戦艦」という歴史的な記録を持つことになりました。
さらにミズーリは、トマホーク巡航ミサイルの発射も行っており、大砲の時代からミサイルの時代へ移り変わる過渡期の象徴的な存在とも言えます。
ミズーリ号の歴史的意義
ミズーリはアイオワ級戦艦の最終番艦として1944年に就役しました。特に有名なのは、1945年9月2日に東京湾上で行われた日本の降伏文書調印式の舞台となったことです。太平洋戦争の幕引きの場となった艦として、世界史にその名を刻んでいます。
現在のミズーリ号
冷戦終結後の1992年に退役したミズーリは、現在ハワイ・パールハーバーに係留され、記念艦として一般公開されています。真珠湾攻撃で沈んだ戦艦「アリゾナ」の記念館と対をなす位置にあり、「太平洋戦争の始まりと終わりをつなぐ場所」として多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。