1799年ドル銀貨の造幣局マークに関する誤解
「1799年のドル銀貨にはサンフランシスコ造幣局を示すSマークが刻まれている」という説を耳にすることがありますが、これは誤りです。実際には、1799年に鋳造されたドル銀貨には造幣局マークが一切存在しません。
なぜ1799年ドル銀貨に造幣局マークがないのか
1799年のドル銀貨(ドラップド・バスト・ダラー)は、すべてペンシルベニア州フィラデルフィアにあるフィラデルフィア造幣局で鋳造されました。当時のアメリカ合衆国では、フィラデルフィア造幣局が唯一の造幣局であり、造幣局を識別するためのマークを刻む制度そのものがまだ確立されていなかったのです。
そもそもサンフランシスコ造幣局が開設されたのは1854年、ニューオーリンズ造幣局は1838年、カーソンシティ造幣局に至っては1870年のことです。したがって、1799年の時点ではS・O・CCといった造幣局マークは物理的に存在し得ません。
真贋を見分けるうえでの重要ポイント
この歴史的事実は、コレクターや投資家にとって非常に重要な鑑定ポイントとなります。もし「1799年」の日付とともにSマークやその他の造幣局マークが刻まれたドル銀貨を目にした場合、それは偽物または後世の改ざん品である可能性が極めて高いといえます。
高額で取引される初期アメリカ銀貨の世界では、精巧な模造品も多く出回っています。購入を検討する際には、PCGSやNGCといった第三者鑑定機関によるグレーディングを受けた真贋保証付きのコインを選ぶことが、安全かつ確実な方法です。
まとめ
1799年ドル銀貨に造幣局マークは存在しません。これは当時のアメリカに造幣局がフィラデルフィアの一箇所しかなく、マークを刻む慣行がなかったためです。この基本知識を押さえておくことで、偽物を見抜く力が格段に向上します。