「1931年のモルガンダラーを持っているが、価値はいくらなのか?」——こうした質問はコイン収集の世界でよく見られます。しかし、結論から言えば、1931年に鋳造されたモルガンダラーは存在しません。つまり、そのような硬貨は本物のアメリカ合衆国の硬貨ではないのです。
モルガンダラーとはどんな硬貨?
モルガンダラー(Morgan Silver Dollar)は、アメリカ合衆国造幣局が製造した1ドル銀貨です。表面にはジョージ・T・モーガンによるデザインによる自由の女神像が描かれ、裏面にはワシの姿があしらわれています。
この銀貨が鋳造されたのは、以下の期間のみです。
- 1878年〜1904年
- 1921年(1年間のみ再発行)
なぜ1931年のモルガンダラーは存在しないのか
上記の期間を見ると分かるように、1905年から1920年まで、そして1922年以降はモルガンダラーは製造されていません。さらに言えば、世界恐慌の影響により、1929年から1933年にかけてはアメリカでは一切の1ドル銀貨が鋳造されていません。したがって、1931年という年号の入ったドル銀貨は、モルガンダラーであれピースダラーであれ、公式に存在しないことになります。
「1931年ドル硬貨」の正体とは?
もし1931年の年号が刻まれたドル硬貨を目にした場合、考えられる可能性は次のとおりです。
1. 偽造品(レプリカ)
観光客向けの土産物や模造品として作られた偽物であるケースが最も多いです。本物の銀貨に比べて重量や直径が異なることが多く、磁石に反応する金属で作られている場合もあります。
2. 年号の改ざん
本物のモルガンダラーやピースダラーの年号部分を加工し、「1931」に見せかけた改ざんコインである可能性もあります。特に希少性の高い年号への改ざんは古くから行われてきました。
価値の評価について
残念ながら、1931年のモルガンダラーとして取引されている硬貨にコレクターとしての価値はほとんどありません。ただし、純銀を使用した精巧なレプリカであれば、地金価格(シルバー価格)相当の価値が認められる場合があります。
手元にある硬貨の真贋を確かめたい場合は、重量・直径・縁の刻印・音色などを確認するとともに、PCGSやNGCといった信頼できる鑑定機関に相談することをおすすめします。
まとめ
モルガンダラーは1878年〜1904年および1921年にのみ鋳造された銀貨であり、1931年に作られたものは存在しません。1931年の年号を持つドル硬貨は偽造品か改ざん品である可能性が高いため、購入や売却の際には十分な注意が必要です。