アメリカ合衆国初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンは、独立戦争で膨らんだ国家の債務問題を解決し、若い共和国の経済基盤を固めるため、包括的な財政計画を提唱しました。この計画は主に以下の3つの要素から構成されています。
1. 州債務の連邦政府による引き受け(アッサンプション)
ハミルトンは、各州が戦争中に負った債務を連邦政府が引き受けることを提案しました。これにより州ごとにばらばらだった信用状態が統一され、州の信用回復と将来の資金調達が容易になると期待されました。また、債権者を連邦政府に結びつけることで、国家への忠誠心を高める狙いもありました。
2. 国立銀行(第一合衆国銀行)の設立
ハミルトンは、国の金融システムを管理・規制し、企業や政府に融資を行う国立銀行の創設を提言しました。統一された通貨の発行や公金の管理を通じて金融の安定をもたらし、経済成長を促進して雇用創出につなげることが目的でした。この構想は1791年に第一合衆国銀行として実現しました。
3. 輸入品への関税賦課
輸入品に関税をかけることで財源を確保するとともに、国内産業を外国製品との競争から保護することも図られました。関税収入は債務返済の重要な原資となり、国内製造業の育成によって国民の所得向上と雇用増加が期待されました。
計画の意義
これら3つの施策は相互に連動しており、連邦政府の信用確立、安定した金融システムの構築、持続的な財源の確保という三位一体の改革として機能しました。ハミルトンの財政計画は、アメリカが経済的に自立した近代国家へと発展する礎となったと評価されています。