歴史上の人物

1929年に起きた歴史的な出来事10選:世界恐慌からバチカン市国の誕生まで

1929年は、20世紀の歴史の流れを大きく変える出来事が相次いだ年でした。経済、政治、宗教、文化の各分野における転換点となった主な出来事を、10のテーマに分けて紹介します。

1. 世界恐慌の引き金となった株式大暴落

1929年10月29日、ニューヨーク証券取引所で「暗黒の火曜日」と呼ばれる株価大暴落が発生しました。これをきっかけにアメリカ経済は急速に悪化し、銀行の連鎖倒産や失業率の急上昇を伴う長期不況、いわゆる「世界恐慌(グレート・ディプレッション)」へと発展していきます。

2. ラテラノ条約の締結とバチカン市国の成立

同年2月11日、イタリアの指導者ベニート・ムッソーニとローマ教皇ピウス11世の間でラテラノ条約が調印されました。この条約によりバチカン市国が独立国家として承認され、イタリアとカトリック教会の間で数十年にわたり続いていた対立がついに解決されました。

3. 第一次世界大戦の賠償問題を整理した「ヤング案」

ヤング案は、ドイツの第一次世界大戦賠償問題を再構築するために締結された国際協定です。賠償額の軽減と支払条件の見直しによってドイツの負担を減らし、経済復興を促すことを目的としていました。しかし、その後の世界恐慌の影響で機能不全に陥り、のちの政治的不安定化の一因ともなりました。

4. 第1回アカデミー賞の開催

1929年5月16日、映画芸術科学アカデミー主催による第1回アカデミー賞授賞式がロサンゼルスで開催されました。前年の優れた映画作品と関係者を表彰するこの式典は、以来90年以上にわたり続く、映画界最大の栄誉の伝統の始まりとなりました。

5. 不戦公約(ケロッグ=ブリアン条約)の発効

1928年8月にパリで調印されたケロッグ=ブリアン条約は、1929年7月に発効しました。戦争を国家政策の手段としないことを宣言したこの条約には数十か国が参加し、紛争の平和的解決という理念が掲げられました。実効性には限界があったものの、国際法において戦争を違法化へ向かわせた第一歩として高く評価されています。

6. 女性参政権の拡大

アメリカ合衆国では1920年に憲法修正第19条が批准され、女性に参政権が認められていましたが、1920年代末にかけてこの潮流は世界各地へ広がりました。たとえばエクアドルは1929年に女性参政権を認めた先駆的な国の一つであり、女性の政治的権利を求める動きが国際的に加速した時期でもあります。

7. 冥王星発見への道

1929年、アメリカの天文学者クライド・トンボーがローウェル天文台で未知の惑星の捜索観測を開始しました。そして翌1930年2月、彼は太陽系の縁に位置する新天体・冥王星を発見します。当時は第9番目の惑星とされていましたが、2006年には国際天文学連合によって準惑星へと分類変更されました。

8. インド独立運動の高揚と塩の行進へ

1929年12月、インド国民会議派は完全独立(プールナ・スワラージ)を決議し、独立運動は新たな段階へと進みました。これを受けてマハトマ・ガンディーは翌1930年3月、英国の塩専売制度に抗議する「塩の行進(ダンディ行進)」を実施し、世界中の注目を集めることになります。

9. 『グレート・ギャツビー』が象徴した時代の終焉

F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』は1925年の刊行ですが、空前の繁栄を謳歌した「ジャズ・エイジ」を鮮やかに描いたこの作品は、1929年の株式大暴落によって幕を下ろした時代の象徴として、のちにアメリカ文学史上の傑作と評されるようになりました。

10. ハリウッド黄金時代への幕開け

ユニバーサル・スタジオは、ハリウッドを代表する大手映画会社の一つとして成長を続け、1920年代末にはトーキー映画の登場とともに産業全体が飛躍的な発展期を迎えました。こうした土台の上に、1930年代以降のいわゆる「ハリウッド黄金時代」が花開いていくことになります。