1814年9月、米英戦争のさなか、フランシス・スコット・キーはイギリス艦隊に足止めされた状態から、ボルチモアのマクヘンリー砦への攻撃を目撃しました。この体験をもとに彼が書き上げた詩は、後にアメリカ合衆国の国歌「星条旗(ザ・スター・スパングルド・バナー)」となりました。
夜の攻撃中、旗は見えていなかった
実は、キーは夜間のイギリス軍による攻撃の最中に、旗がはためく様子を見ていたわけではありません。当時のアメリカ軍は、砦がまだ持ちこたえていることを敵に悟られないよう、日中だけ旗を掲げ、夜になると旗を降ろすという対応をしていました。そのため、暗闇の中で行われた激しい砲撃の間、キーの目に旗が映ることはなかったのです。
夜明けとともに現れた「星条旗」
一夜が明け、戦火の煙が晴れた朝、キーはようやく砦の上空に翻る星条旗を確認することができました。旗が掲げられているという事実は、アメリカ軍が最後まで砦を守り抜いた何よりの証拠でした。この光景に深い感銘を受けたキーは、その感動を詩に託し、それがやがて国民的な歌として広まっていったのです。