歴史クイズ

「叙任権闘争」演習問題|中世ヨーロッパ史の重要テーマを解説付きで徹底攻略

はじめに

「叙任権闘争」とは、11世紀後半から12世紀初頭にかけて、ローマ教皇(霊的権威)と神聖ローマ皇帝(世俗権力)の間で、司教や修道院長といった聖職者を任命する権利(叙任権)をめぐって繰り広げられた激しい対立です。教会の独立を守りたい教皇側と、国内の聖職者人事を通じて支配を強化したい皇帝側の利害が真っ向から衝突したこの争いは、中世ヨーロッパ史を学ぶうえで欠かせないテーマとなっています。本記事では、ブラジルの名門大学入試(Fuvest、PUC-SPなど)で実際に出題された演習問題を4問取り上げ、解答と丁寧な解説を付して紹介します。

問1(Fuvest)

「叙任権闘争」とは、何と何との間の紛争であったか。

a) ローマ教皇と神聖ローマ帝国の皇帝
b) 封建領主と騎士
c) 修道会とコンスタンティノープル総主教
d) クリュニー修道会の修道士と教皇グレゴリウス7世
e) ギベリン派と皇帝ハインリヒ4世

問2(PUC-SP)

封建社会は身分制に基づいており、政治的にも分断されていました。次の儀礼は、貴族同士の関係を示すもので、封土(レーン)授与の条件を定め、国王さえもこの互酬の体系の中に位置づけるものでした。

「4月7日(イデス)の木曜日、伯(伯爵)に対する臣従の礼(オマージュ)が執り行われた。それは信仰と忠誠の誓約のために定められた形式に従い、次の順序で進められた。まず第一に、臣従の礼は次のように行われた。伯は未来の家臣となる者に、いかなる留保もなく自分の人物となることを望むかと尋ねた。彼はこう答えた。」

「――『望みます』。すると、両手を伯の手の間で握り合わせ、接吻によって結び目が交わされた。第二に、臣従の礼を済ませた者が信仰を誓い(……)、第三に、聖遺物の上でこれを誓った。」

「その後、伯は手にしていた杖をもって、まさに臣従の礼を済ませた者たち一人ひとりに対して叙任(所領の象徴的な保有)を行い、忠誠を約束させ、宣誓させたのである。」

(ブリュージュのジルベール「善良伯フランドル伯シャルルの死についての歴史」/グスタボ・デ・フレイタス編『歴史資料900選』より)

この儀礼が表しているものとして正しいのはどれか。

a) 中世社会の各階層の間に忠誠の網の目を張り巡らせ、君主による中央集権化に貢献した。
b) 貴族・聖職者・民衆のそれぞれの間の権利と義務を画定した。
c) 貴族身分への加入条件を定め、社会的な身分上昇を可能にした。
d) 封土授与の条件を定め、経済的な観点から序列を確立することで、王権の強化に貢献した。
e) 軍事的な観点から、互酬の体系の中に序列を確立した。そこには忠誠と保護の義務が含まれており、この保護こそが報酬を構成していた。

問3

次の文章を読もう。

「もう一つの重要な問題は、フリードリヒと教皇アレクサンデル3世の間の争い(世俗権力対霊的権力)であった。これは〈叙任権問題〉に端を発する一大危機であり、帝国と教皇庁の関係、さらには教会とヨーロッパ諸君主国一般との関係を、1075年から1122年までの期間にわたって大きく損なった(叙任とは、聖職者にその職の標章を授ける物理的な行為を指す)。」(リカルド・ダ・コスタ)

1122年に、「叙任権問題」ないし「叙任権闘争」に終止符を打った出来事とは何か。

a) 教皇グレゴリウス1世(大聖)とカール大帝が署名した「パリ決議」
b) エラスムスとマルティン・ルターが署名した「ロッテルダム協約」
c) カール5世と教皇ベネディクトゥス5世が署名した「ポツダム協定」
d) 教皇カリストゥス2世と神聖ローマ皇帝ハインリヒ5世が署名した「ヴォルムス協約」
e) イングランド王ヘンリー8世と教皇レオ10世が署名した「バスカヴィル協定」

問4

中世の文脈における「叙任する」という行為は、正確には何を意味するか。

a) 農民の生産活動に投資すること。
b) 投資する、つまり農民に貴族の衣装を着せること。
c) 家臣である農民に荘園領主の地位を与えること。
d) 武人貴族に聖職者の職務を与えること。
e) 聖職者を教会の職位に任命し、その職を示す標章を授ける(「叙任」する)こと。また、貴族の間で封土の授与を行うこと。

解答と解説

問1:正解は a)

教皇と皇帝の間のこの紛争は、まさに「叙任」、すなわち霊的権力側――つまり教会の構成員――に職位を与え、その地位を特徴づける標章を授ける権限を誰が握るかをめぐって起こりました。皇帝が自ら司教を任命できれば教会の独立性が脅かされ、逆に教皇だけが任命権を独占できれば皇帝の支配体制が揺らぐため、両者の利害が衝突したのです。

問2:正解は e)

ブリュージュのジルベールが描くこの儀礼は、軍事的貴族階層に由来する貴族同士の互酬関係を表しています。伯が手にしていた杖は、王が騎士たちに貴族の地位を「聖別」する際に用いた剣(あるいは槍)を象徴するものでした。封建制度は、家臣からの忠誠と奉仕の見返りとして、主君が保護と所領を与えるという相互の義務関係――互酬性――を基盤としていたのです。

問3:正解は d)

1122年の「ヴォルムス協約」は、司教などの聖職者任命権をめぐる問題を解決するために見出された歴史的な妥協案でした。この任命権をめぐる争いは、神聖ローマ皇帝と教皇の間で戦われてきました。この協約(Pactum Calixtinum〈カリストゥス協約〉とも呼ばれる)により、皇帝は司教に対して、世俗的な象徴である権杖(セプター)を用いて所領の統治権を「叙任」する権限を認められました。一方、指輪と司教杖による教会職位の授与という宗教的な象徴権限は教皇側に留保され、霊的権限と世俗的権限が切り分けられたことで、約50年に及ぶ闘争に終止符が打たれたのです。

問4:正解は e)

中世の文脈における「叙任(インヴェスティトゥーラ)」とは、象徴的な儀式を通じて誰かに職位や権限を与えることを意味しました。これは聖職者と貴族の双方に関わる概念であり、それぞれの身分において、土地の保有権や行政上の職務に権限を授ける力を持っていたのです。教会の世界では指輪と司教杖が、世俗の世界では権杖などがその象徴として用いられました。