ゾロアスター教に関する演習問題
古代ペルシアで誕生したゾロアスター教(拝火教)は、善悪二元論を中核とする世界最古級の宗教であり、後のユダヤ教やキリスト教の思想にも影響を与えたとされます。ここでは、この宗教に関する基本的な知識を確認できる選択式の演習問題を4問用意しました。各問題の後に解答と詳しい解説を掲載していますので、試験対策や学習の復習にぜひご活用ください。
問題1
古代ペルシアの宗教において、ザラトゥストラ(ゾロアスター)以降の根本的な要素として挙げられるのは、次のうちどれか。
ア)宗教寺院における動物形の偶像崇拝を実践する多神教。
イ)各地域がそれぞれ独自の最高神を持つ、信仰の地域性。
ウ)善と悪という原理の対立によって表される二元論。
エ)『ヴェーダ』に含まれる宗教的戒律への全住民の厳格な服従。
オ)魂の不死や復活に対する不信。
問題2
ザラトゥストラの思想とその詩的な表現力は、多くの世代の詩人や思想家に影響を与えました。19世紀のドイツでは、ある思想家がペルシアの預言者を中心人物とした一冊の書物を著したことで有名になりました。この書物名と思想家の組み合わせとして正しいものはどれか。
ア)ヘーゲル『ゾロアスター教の精神現象学』
イ)F・W・ニーチェ『ツァラトゥストラはこう語った』
ウ)ヘルダーリン『ツァラトゥストラ詩集』
エ)シェリング『ツァラトゥストラ覚書』
オ)アルトゥール・ショーペンハウアー『ゾロアスター教の二元論的世界』
問題3
ザラトゥストラは「ゼンド・アヴェスタ」、あるいは単に「アヴェスタ」と呼ばれる聖典を著したと伝えられています。この書物に含まれる教えの一つは、次のうちどれか。
ア)オルムズドは世界の闇と悪の神であるという信仰。
イ)キリストという贖罪者の存在への信仰。
ウ)アーリマンが世界の善なるものをすべて創造したという信仰。
エ)ペルシア王キュロス大王に人格化された唯一神への信仰。
オ)善神オルムズドと悪神アーリマンの対立への信仰。
問題4
善神オルムズドに捧げられた儀礼活動の一つとして正しいものは、次のうちどれか。
ア)暗い洞窟での祭祀。
イ)森での祭祀。
ウ)ゲヘナにおける幼児の生贄。
エ)過越祭における子羊の犠牲。
オ)火の神殿での崇拝。
解答と解説
問題1の解答:ウ
善と悪、すなわち善神と悪神の対立という二元論こそが、ペルシアの詩人にして預言者ザラトゥストラが打ち立てたゾロアスター教の教義体系の最大の特徴です。光と闇、善と悪が最終的に戦うという世界観は、後代の宗教思想にも大きな影響を残しました。
問題2の解答:イ
ニーチェは19世紀ドイツを代表する哲学者の一人です。1883年、彼は哲学・予言的な詩・歴史研究の要素を融合させた書物を出版しました。これはペルシアの詩人ザラトゥストラ(ゾロアスター)を中心人物とするもので、『ツァラトゥストラはこう語った』と題されています。ニーチェはこの作品を通じて「超人」の構想などを展開しました。
問題3の解答:オ
『アヴェスタ』には、ゾロアスター教の主要な教義と儀式が記されています。ザラトゥストラ思想の柱の一つが、善神オルムズド(アフラ・マズダー)と悪神アーリマン(アングラ・マンユ)の対立への信仰です。最終的には善神オルムズドが、敵対者アーリマンとの戦いに勝利すると説かれています。
問題4の解答:オ
オルムズドは、光と世界の善なるすべてのものを司る神とみなされていました。火の神殿が彼の崇拝の場として設けられたのは、火という要素が光と徳による照らしの象徴を担っているためです。こうした背景から、ゾロアスター教は「拝火教」とも呼ばれてきました。