アメリカ合衆国第3代大統領であり、独立宣言の起草者として知られるトーマス・ジェファーソン(1743年〜1826年)ですが、実は特定の宗教宗派に所属していた、あるいはいずれかの宗派に正式に加盟したという記録は一切残っていません。
多様な解釈が存在するジェファーソンの信仰
そのため、彼の宗教観については歴史学者たちの間でさまざまな解釈が存在します。これまでに彼は以下のように形容されてきました。
- 理神論者(ディーズト)
- ユニテリアン(唯一神派)
- 懐疑的な不可知論者
- 「独自のやり方でのキリスト教徒」
組織宗教との距離と、イエスへの敬意
ジェファーソンは教会などの組織宗教とは距離を置いていましたが、イエス・キリストの道徳的な教えそのものには深い敬意を抱いていたことで知られています。有名な「ジェファーソン聖書」では、奇跡や超自然的な要素をすべて取り除き、イエスの倫理的な言葉だけを切り抜いて編集したエピソードは特に有名です。
政教分離の理念への貢献
また、彼は国家と宗教の分離という理念を強く支持しており、バージニア州宗教自由法の起草などを通じて、信教の自由を保障するアメリカの制度的基盤づくりに大きく貢献しました。この点からも、彼が特定の宗派の枠組みにとらわれない、独自の宗教観を持っていた人物であったことがうかがえます。