歴史クイズ

古代ローマのエボカティとは?親衛隊と海軍で活躍した精鋭兵士たち

エボカティとは何か

古代ローマにおけるエボカティ(evocati)とは、同盟市の住民や属州民の中から、補助部隊での勤務経験を持ち、指揮官としての素質が認められた者――すなわちケントゥリオ(百人隊長)やデクリオ(騎兵分団長)などの階級に達した兵士――を選抜して編成された部隊のことです。

彼らは優れた経験と能力を持つベテラン兵であり、通常の軍団兵とは一線を画す精鋭として扱われていました。

アウグストゥス帝による組織化

この制度がいつ始まったのかは正確には不明ですが、初代皇帝アウグストゥスの時代になると、エボカティは独立した部隊として再編成され、皇帝親衛隊に付属するようになりました。こうして誕生したのが、「コホルス・アミコルム(cohors amicorum=友人の隊)」あるいは「コホルス・プラエトリア(cohors praetoria=プラエトリア隊)」と呼ばれる部隊です。

その規模は時代によって変動しましたが、2世紀末までには、約500名の歩兵と120名の騎兵からなる一個のコホルス・アミコルムが常設されていたことがわかっています。

海軍におけるエボカティ

興味深いことに、エボカティは陸軍だけでなく海軍にも存在していました。ナポリ湾に面したミセヌム海軍基地を拠点とする「クラッシス・プラエトリア・ミセネンシス(classis praetoria Misenensis)」がその代表例です。

ミセヌムには、それぞれ1,000名の海兵隊員からなる5個コホルスのエボカティ部隊が配備され、さらにアドリア海側のラヴェンナ艦隊にも同様の部隊が置かれていました。これらを合計すると、ローマ海軍に所属するエボカティの総数はおよそ6,000人に達していたと考えられています。