歴史クイズ

バージェスとは?中世・近世イングランドにおける平民代表の歴史

バージェス(Burgess)とは

バージェスとは、中世から近世初期にかけてのイングランドにおいて、町(バラ)の住民を代表するために選出された議員のことです。彼らは議会の下院にあたる庶民院に議席を持ち、国王や貴族に対して庶民の利益を代弁する重要な役割を担っていました。バージェスには主に商人、法律家、その他その町で名望のある市民が選ばれました。

起源と選出方法

最初のバージェスは13世紀に誕生しました。当初は町評議会によって選出されていましたが、時代が進むにつれて選挙権が拡大し、やがて男性世帯主全員に選挙権が認められるようになりました。任期は1年間で、報酬のない無給の職だったため、一定の経済力と余裕を持つ市民だけが就任できるという側面もありました。

議会における役割

バージェスは庶民院において庶民の利益を代表し、人々の権利を保護する法律の成立に大きく貢献しました。さらに、不人気な大臣の弾劾や国王の廃位といった重大な政治的決定にも関与しています。課税承認の権限を通じて王権を抑止する存在でもあり、イングランド議会政治の発展において欠かせない役割を果たしました。

バージェスの衰退

しかし17世紀に入ると、バージェスの独立性は次第に失われていきました。政党政治の台頭と王権の強化により、独自の立場を維持することが難しくなり、17世紀末までには多くのバージェスが王室や貴族階級に従属する存在へと変わってしまいました。

制度の終焉:1832年の選挙法改正

バージェス制度は最終的に1832年の選挙法改正(第一次選挙法改正)によって大きな転換点を迎えました。この改正により選挙権が拡大され、新たな選挙区が創設されましたが、その頃にはバージェスの役割はすでに低下しており、議会における重要な勢力ではなくなっていました。こうして、数百年にわたりイングランドの議会政治を支えてきたバージェスの時代は幕を閉じたのです。