古代アケメネス朝ペルシアの王ダレイオス1世は、広大な領土を効率的に統治するため、帝国を約20の行政区画である「サトラピー(州)」に再編しました。この行政制度については、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの記録によって詳しく知られています。
20の州の一つ「バクトリア」
ダレイオス1世が設けた20の州の中の一つがバクトリア(Bactria)です。バクトリアは、現在のアフガニスタン北部からウズベキスタン南部に相当する地域を含む、中央アジアの要衝でした。
バクトリアの地理と重要性
バクトリアは肥沃な土地に恵まれ、オクサス川(現在のアムダリヤ川)流域に位置していました。東西交易の十字路として栄え、後にシルクロードの重要な中継地ともなったこの地域は、ペルシア帝国にとって戦略的・経済的に極めて価値の高い州でした。
州都にはバクトラ(現バルフ)が置かれ、「東方の美しき都市」と讃えられる繁栄を誇りました。各サトラピーには総督(サトラップ)が任命され、税の徴収や防衛、治安維持を担うことで、多民族からなる大帝国の統治が可能となったのです。