リチャード1世はいつの時代の王?
リチャード1世は、「獅子心王(リチャード・ザ・ライオンハート)」の異名で知られるイングランド王です。1189年7月6日に即位し、1199年に亡くなるまでの約10年間、イングランド王として在位しました。12世紀後半から13世紀初頭にかけて、いわゆる中世盛期にあたる時代の君主です。
広大な領土を支配した君主
リチャード1世の権威はイングランドにとどまりませんでした。彼は同時にノルマンディー公、アキテーヌ公、アンジュー伯としても君臨し、さらにキプロス王国とポワトゥー伯領の宗主(オーバーロード)でもありました。当時のプランタジネット朝は、イングランドからフランス西部にかけて広大な領域を支配しており、この支配圏は後に「アンジュー帝国」と呼ばれることになります。
プランタジネット朝出身の三男
リチャード1世はプランタジネット朝の出身で、イングランド王ヘンリー2世とその妃アリエノール・ダキテーヌの三男として生まれました。母アリエノールはアキテーヌ公国の女公であり、この結婚によってプランタジネット家はフランス南西部の広大な領地を手に入れたのです。本来ならば王位継承とは無縁だった三男のリチャードが王位に就いたことは、当時の政治状況の複雑さを物語っています。
第3回十字軍と「獅子心王」の異名
リチャード1世といえば、第3回十字軍(1189年〜1192年)での活躍が特に有名です。エルサレムを奪回したイスラム勢力の英雄サラディンと幾度も激突し、その武勇と胆力から「獅子心王」と称されるようになりました。在位期間こそ短かったものの、彼は中世ヨーロッパで最も名高い騎士道君主の一人として、後世に強い印象を残しています。