ジョン・カボットはどの地図を使用しましたか?
ジョン・カボットが北大西洋を横断する航海において、特定の地図を使用したという確かな証拠は存在しません。
カボットが生きた15世紀後半から16世紀初頭にかけて作られていた地図は、地中海沿岸や北海周辺の陸地については比較的正確に描かれていました。しかし、当時のヨーロッパ人にとって未知の領域であった大西洋については、情報が乏しく、詳細さに大きく欠けていたのです。
地図に頼らない航海術
カボットをはじめとするこの時代の探検家たちは、紙に描かれた地図よりも、実践的な航海技術を頼りに航行していました。具体的には、以下のような手段が用いられました。
- 羅針盤(コンパス):方角を常に把握し、進路を維持するための基本装備
- 天体観測:北極星や太陽の位置から緯度をおおよそ測定する天文航法
- 自然の目印:鳥の飛行方向、海流、雲の様子、漂着物など、陸地の近さを示す手がかりの観察
1497年にブリストル港を出発し北米大陸へ到達したカボットの航海も、こうした伝統的な航海術の積み重ねによって成し遂げられたものです。当時の探検がいかに大胆な挑戦であったかを物語るエピソードといえるでしょう。