「バトル・オブ・ブリテン(ブリテンの戦い)にはどんな戦車があったのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。しかし、結論から言えば、バトル・オブ・ブリテンに戦車は一切参加していません。この戦いは、地上ではなく空中で行われた純然たる航空戦だったからです。
バトル・オブ・ブリテンとはどのような戦いだったのか
バトル・オブ・ブリテンは、1940年7月10日から10月31日にかけて、イギリス本土上空で繰り広げられた大規模な航空戦です。ドイツ空軍(Luftwaffe)がイギリスへの制空権獲得を目指して攻勢をかけ、これに対してイギリス空軍(RAF)が迎え撃つという構図で戦われました。
当時、ナチス・ドイツはイギリス本土上陸作戦(アシカ作戦)を計画していましたが、その成功にはまず制空権の確保が不可欠でした。そこでドイツ空軍は爆撃機と戦闘機の大編隊を投入し、イギリスの防空体制を崩そうとしたのです。
なぜ戦車が登場しなかったのか
この戦いの主役は、あくまで航空機でした。イギリス側はスピットファイアやハリケーンといった戦闘機を擁し、レーダー網と統合された防空システムによって迎撃に成功します。一方のドイツ側もメッサーシュミットBf 109などの戦闘機を大量に投入しました。
つまり、バトル・オブ・ブリテンはイギリス空軍(RAF)とドイツ空軍の間で戦われた「空の決戦」であり、戦車のような地上部隊用の兵器が活躍する場面はなかったのです。
戦車が本格的に登場するのはその後
第二次世界大戦において戦車が大規模な機甲戦として注目されるのは、北アフリカ戦線や東部戦線など、地上での攻防が展開された戦域においてです。バトル・オブ・ブリテンは、航空兵力の優劣が国家の命運を左右した歴史的な戦いとして、今日でも軍事史における重要な転換点とされています。