
ヴェネツィアの遊女たち(コルティジャーナ)
ルネサンス期ヴェネツィアを彩った華やかな存在
ルネサンス時代のヴェネツィアの遊女たち(コルティジャーナ)は、他の女性たちと自分たちを一線に画すために、細部まで計算され尽くした、あでやかで個性的な特別な「装い」を採り入れていました。意図的に派手さを追求し、周囲の視線を集めるスタイルは、まさに彼女たちのプロフェッショナリズムを象徴するものでした。
何より目を引いたのは、足元の靴
その中でも、おそらく人々の視線を最も強く惹きつけたのが靴でした。彼女たちの足元には、小さな建築物のような、高さ30〜40センチにも及ぶ前例のない靴が輝いていました。それはまるで階段のように、女性たちを文字通り地面から高く持ち上げる、驚異的なフォルムを持っていたのです。
美しさのためではなく、実用性のため
ところが興味深いことに、この一見奇抜なファッションの動機は、美的な理由よりもむしろ実用的な事情によるものでした。当時の道路はぬかるみ、でこぼこで、歩くのが非常に困難な状態だったからです。こうした原始的な「ウェッジ(厚底)」は、悪路でも比較的安定して歩けるようにするという、重要な役割を果たしていたのです。
美の代償――侍女2人の助けが必要なほどの危険物
しかし皮肉なことに、あまりにも高さが誇張されていたため、今度はその靴自体が大きな危険をもたらすことになりました。公衆の面前へ出る際、コルティジャーナたちは二人の侍女に両脇を支えられながら、ようやく歩けるという有様でした。美しさを追い求めた結果、自由に歩くことさえままならなくなるという、華やかな表の顔に隠された苦労だったのです。