戦争が広げた女性の職業機会
第二次世界大戦中のアメリカでは、男性たちが大規模に動員・徴兵されたことで、労働市場に大きな人手不足が発生しました。これにより、それまで男性中心とされていた分野へ女性が進出する機会が飛躍的に拡大しました。造船所での作業や工場勤務など、従来は男性が担ってきた仕事に数多くの女性が就き、戦争遂行を支える不可欠な労働力となったのです。
終戦後、女性労働者の大多数が選んだ道
1945年に戦争が終わると、こうした女性労働者の大多数は、公的な場での仕事を手放し、家庭という私的な領域へ戻る道を選びました。もっとも、男性優位の産業分野で働き続けた女性も一部存在しており、すべての女性が家庭に戻ったわけではありません。
産業界の受け止め方は二つに分かれた
一方、産業界側の反応も決して一様ではありませんでした。広告業界のように、従来男性が担ってきた役割に就く女性を受け入れ、前向きに歓迎する動きも見られました。しかし他方では、戦争の終結に伴い男性労働者が職場へ復帰するのは自然であり、むしろ望ましいことだと捉える業界も少なくなかったのです。
このように、第二次世界大戦は女性の社会進出への扉を一時的に大きく開きましたが、終戦後の社会的な流れは再び伝統的な性別役割へと回帰していくことになりました。