結論から言うと、S字トラップ(U字トラップ)による水封機構を備えた現代の水洗トイレの発明・普及に関わったのは、イギリスの配管工トーマス・クラッパー(Thomas Crapper)であり、トーマス・エルキンスではありません。
トーマス・クラッパーの功績
トーマス・クラッパー(1836年〜1910年)は、ロンドンで活躍したイギリスの配管工・実業家です。衛生器具メーカー「Thomas Crapper & Co」を創業し、ボールタップ(浮き球式給水弁)をはじめとする配管技術に関する複数の特許を取得しました。これらの改良により、水洗トイレの信頼性と利便性は大きく向上しました。
S字トラップの起源
なお、下水の悪臭を防ぐS字トラップそのものは、1775年に時計職人のアレクサンダー・カミングが先に特許を取得しています。クラッパーはこの仕組みをさらに改良し、一般家庭へ広く普及させた人物として高く評価されています。
なぜエルキンスと混同されるのか
一方のトーマス・エルキンスは、19世紀アメリカのアフリカ系アメリカ人発明家で、1872年に携帯用便器(チェンバーコモード)の特許を取得しています。「トイレに関する発明」という共通点があるため、クラッパーと混同されることがありますが、現代の水洗トイレの発明者として名を挙げられているのはあくまでクラッパーの方です。